古巣復帰で浮上のきっかけを掴む
2019年コパ・アメリカに参戦した杉岡と岩田も、それぞれに紆余曲折を経て、再び日の丸を背負うことになった選手だ。特に杉岡は「ポスト長友佑都(FC東京)の筆頭候補」と評されるほど、左SBでインパクトを残した。が、2020年に湘南から移籍した鹿島では思うように出番を得られず、日の当たる舞台からも遠ざかった。
悔しい1年半を経て、2021年夏に古巣復帰してからは、持ち前の球際の強さや献身性、左足の強烈なキックを取り戻し、浮上のきっかけを掴んだという。
岩田にしても、大分トリニータ時代は右SB要員として位置付けられていたが、2021年に横浜へ赴いてからはDFとボランチのできるマルチ型へと変貌。その器用さゆえに代表選出が遠のくといった皮肉な状況に陥っていた。
「昨年からボランチをやらせてもらっているし、今回はボランチとして勝負したい。遠藤航選手(シュツットガルト)を見ていると、球際や1対1がすごく強いし、上手さもある。状況判断も含めてもっともっと伸ばさないといけない」と、本人は何をすべきかを明確に見定め、3年ぶりの代表に復帰してきたのだ。
そのうえで、香港戦の杉岡と岩田を見る限りだと、代表定着への思いは感じられたが、「欧州組に割って入るんだ」という勢いや凄みは物足りなかった。杉岡は1対1でかわされたり、裏を取られるミスが何度かあったし、攻撃参加も少なかった。岩田も不慣れな周囲との関係性もあってポジショニングに苦慮している様子で、中盤をコントロールしきれない部分があった。そこは残り2戦で改善しなければならない部分と言っていい。
香港戦は途中出場で16分間プレーした大南も「自分らしさは出せた」とは言うものの、まだまだA代表の一歩を踏み出したところ。右SBとしては最終予選経験者の山根視来(川崎)、今回未招集の酒井宏樹(浦和)や長友がいることを考えると、本当の勝負はここからだ。
悔しい1年半を経て、2021年夏に古巣復帰してからは、持ち前の球際の強さや献身性、左足の強烈なキックを取り戻し、浮上のきっかけを掴んだという。
岩田にしても、大分トリニータ時代は右SB要員として位置付けられていたが、2021年に横浜へ赴いてからはDFとボランチのできるマルチ型へと変貌。その器用さゆえに代表選出が遠のくといった皮肉な状況に陥っていた。
「昨年からボランチをやらせてもらっているし、今回はボランチとして勝負したい。遠藤航選手(シュツットガルト)を見ていると、球際や1対1がすごく強いし、上手さもある。状況判断も含めてもっともっと伸ばさないといけない」と、本人は何をすべきかを明確に見定め、3年ぶりの代表に復帰してきたのだ。
そのうえで、香港戦の杉岡と岩田を見る限りだと、代表定着への思いは感じられたが、「欧州組に割って入るんだ」という勢いや凄みは物足りなかった。杉岡は1対1でかわされたり、裏を取られるミスが何度かあったし、攻撃参加も少なかった。岩田も不慣れな周囲との関係性もあってポジショニングに苦慮している様子で、中盤をコントロールしきれない部分があった。そこは残り2戦で改善しなければならない部分と言っていい。
香港戦は途中出場で16分間プレーした大南も「自分らしさは出せた」とは言うものの、まだまだA代表の一歩を踏み出したところ。右SBとしては最終予選経験者の山根視来(川崎)、今回未招集の酒井宏樹(浦和)や長友がいることを考えると、本当の勝負はここからだ。
「すごく難しいですけど、残っていけると思っているので。『やってやろう』という気持ちはあります」と本人も意気込みを新たにしていた。
彼らが価値を最も問われる場になるのは、27日の最終戦・韓国戦。まずはその舞台に立てるかが肝要だ。出番を得られた場合には、9年前の柿谷曜一朗(名古屋)や山口蛍(神戸)らが残した以上のインパクトを示さなければならない。2人は当時のE-1制覇に大きく貢献し、2014年のブラジルW杯に出場している。
カタールW杯まで4か月しかなく、ハードルは極めて高い。「石にかじりついても食らいつく」という覚悟と闘志を示すことから、全てが始まる。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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彼らが価値を最も問われる場になるのは、27日の最終戦・韓国戦。まずはその舞台に立てるかが肝要だ。出番を得られた場合には、9年前の柿谷曜一朗(名古屋)や山口蛍(神戸)らが残した以上のインパクトを示さなければならない。2人は当時のE-1制覇に大きく貢献し、2014年のブラジルW杯に出場している。
カタールW杯まで4か月しかなく、ハードルは極めて高い。「石にかじりついても食らいつく」という覚悟と闘志を示すことから、全てが始まる。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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