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“欧州最強”でも画期的なフットボールするわけでもない。それでもなぜマドリーはCLのタイトルを獲れるのか【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2022年07月05日

マドリーの辞書に過度期という言葉は存在しなかった

 マドリーは欧州最強チームなのか?おそらく答えは「ノー」だ。しかし周りからどう思われるかはマドリーにとっては二の次だ。それは今も昔も変わっていない。マドリーは画期的なフットボールを展開するわけでもないし、後世のために革新的な戦術を確立するわけでもない。専門家たちの探求心を掻き立てられるチームではない。

 マドリーがライバルクラブ(例えばバルセロナやリバプールやマンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・C)と異なる点は他にもある。監督はもちろん重要な存在ではあるが、主役になることがないこともその一つだ。

 実際、タイトルへの飽くなき欲望に加えて、いつの時代もマドリーをマドリーたらしめているのは、チームの顔役を担う選手たちであり、サンティアゴ・ベルナベウやフロレンティーノ・ペレスのようなクラブ史にその名を刻む豪腕会長である。
 
 クリスチアーノ・ロナウドとセルヒオ・ラモスが去り、ガレス・ベイルは隅に追いやられる。昨シーズン開幕当初、マドリーは過度期に直面していると思われていた。おまけにクラブの新たな顔になると目されていた選手(キリアン・エムバペのこと)は少なくとも今後3年間、やって来ることはない。

 しかし、マドリーの辞書に過度期という言葉は存在しなかった。見事にその概念を打ち砕いた。そう、またしてもマドリーはロジックの構築を他人に任せ、自分たちはタイトルを手にしたのだ。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。


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