• トップ
  • ニュース一覧
  • 【W杯を手繰り寄せた男たち|三都主アレサンドロ編】誰にでも愛される人間性と特別な武器。日本国籍取得から半年あまりで夢の舞台へ

【W杯を手繰り寄せた男たち|三都主アレサンドロ編】誰にでも愛される人間性と特別な武器。日本国籍取得から半年あまりで夢の舞台へ

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年06月28日

「誰もできないプレーができる自信があった」

三都主アレサンドロ(さんとす・あれさんどろ)1977年7月20日生まれ。現役時代は清水、浦和、ザルツブルク、名古屋、栃木、岐阜、マリンガで活躍。W杯には日韓大会に続き、ドイツ大会にも出場した。J1通算353試合・67得点。J2通算43試合・4得点。日本代表通算82試合・7得点。(C)Getty Images

画像を見る

 同時に、他のメンバーにはないストロングを備えていた点も大きかった。清水時代の三都主は爆発的なスピードと縦への推進力、ドリブル突破力が際立っており、1人で局面を打開してフィニッシュまで持ち込める凄みがあった。だからこそ、99年にMVPを獲得し、J屈指のアタッカーとして異彩を放っていたのだ。

「当時の代表には僕のような選手はいないと思っていたし、誰もできないプレーができるという自信がありました。トルシエは厳しい監督で、何かあるとすぐ怒ってましたけど、『思い切ったプレーをしないとダメだ』と常に自分に言い聞かせていました。日本開催のワールドカップなんて一生に一度しかない。悔いの残らないようイケイケで行こうと思った。チャレンジャー精神がよかったんでしょうね」

 1月の指宿合宿の後、3月のポーランド遠征、5月のレアル・マドリーとノルウェー代表とのアウェー戦など代表活動は数えるほどしかなかったが、短期間で足場を固めた三都主は本大会メンバー入りを果たす。「三都主なら何かをやってくれる」という大きな期待を抱かせた。そしてトルシエ監督も重要なトルコ戦で、満を持してスタメン抜擢するに至った。

「ヤナギ(柳沢敦)が首を痛めて出られず、普通にアキが入るんだろうなと。アキとモリシ(森島寛晃)のコンビならやりやすいし、それがベターと考えてました。だけど指名されたのは自分。しかもポジションは一度もやったことのない左寄りのシャドー。先制点を奪ったウミト・ダバラの裏を突き、アルパイに勝負を仕掛けようと思ったんです」
 
 だが、日本が12分と早い時間に失点し、トルコが守勢に回ったことで、狙っていた穴がなくなり、三都主は悔しい結果を突きつけられた。ただ、誰にでも愛される人間性とスペシャルな武器を併せ持った彼がW杯に滑り込んだのは、ある意味、当然の流れだったと言っていい。

 翻って、今の森保ジャパン。5か月後のカタールでサプライズ選出される人材がいるとすれば、三都主のように場の空気をパッと明るくでき、チームにスペシャルな強みをもたらせる人材に限られるだろう。7月のE-1選手権、あるいは9月の国際Aマッチデーでそういう選手が出現し、我々を驚かせてくれることを祈りたい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【PHOTO】敵も味方も関係なし…ワールドカップの美しき光景
 
【関連記事】
「貴重すぎます!」堂安律が“お笑い怪獣”との会食ショットを公開し反響!「すんごい楽しそう」
「日本は1勝できるのか?」韓国メディアが死の組を戦う森保Jに見解!「コスタリカは勝点3を譲るようなチームではない」
E-1選手権では長友佑都、大迫勇也、酒井宏樹の招集は見送りへ。森保監督が明かす「U-21日本代表からも数名」
「スペシャリスト枠」「少ない枠を争うのが面白いのに」カタールW杯の“26人枠”決定で様々な声!森保監督は大歓迎
【W杯を手繰り寄せた男たち|中西永輔編】本大会への執着心と準備力で滑り込み。世界の名手には“動き出し”で勝負

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ