マドリー番記者が語る「デ・ヘア獲得失敗の余波」と「ベイルの“ロナウド化計画”」

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年09月04日

ベイルのバリューをピッチ内外で倍加させる目論み。

ロナウドに代わるアイコンとして、マドリーはベイル(右)に期待。もっとも、現時点では存在感、チームへの影響力ともにハメス(左)が上回る。 (C) Getty Images

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 なかでも重点が置かれたのが、ガレス・ベイルのパフォーマンス向上だ。
 
 クラブはベイルのバリューをピッチ内外で倍加させようと目論んでいる。それは当然、「ポスト・ロナウド」を視野に入れてのことだ。
 
 クリスチアーノ・ロナウドは早ければ1年後にクラブを去る。その「Xデー」に向けて、いよいよ準備に着手したわけだ。ベイルのトップ下へのコンバートがその手始めである。
 
 さて、開幕2試合で見えたことをまとめよう。
 
 スポルティング・ヒホンに0-0で引き分けた開幕戦とベティスに5-0で大勝した2節の2試合で明らかになったのは、いまのマドリーはロナウドではなくハメス・ロドリゲスのチームである、ということだ。
 
 ノーゴールで内容も良くないロナウドに対し、ハメスはベティス戦で2ゴール――最初のゴールは角度のないところからFKを鮮やかに突き刺す――を決めるなど、チームで随一の輝きを放っている。
 
 前述のように、クラブはベイルをロナウドに代わるアイコンにしようとしているが、存在感、チームへの影響力はハメスが上だ。
 
 ベルナベウの反応もそうだ。声援のボリュームが違う。ハメスに贈られるのはまさしく大喝采だが、ベイルへのそれはまだまだ小さい。実際、ベイルには懐疑的な視線が根強く、パフォーマンスが少しでも落ちれば罵声が飛ぶ。
 
「ロナウドの低調」、「ベイルのロナウド化計画」、「ハメスの絶好調」とともに指摘したいのが、「守備陣の安定」だ。
 
 セルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランヌのCBコンビに、左マルセロ、右ダニーロの4人で構成する最終ラインは、連携も申し分なく、とにかく安定している。この点、バルサとは対照的だ。
 
 待たれるのは、ロナウドの爆発だ。誰よりもそれを待ち望んでいるのが、デ・ヘアの一件での大失態を払拭したいペレス会長であることは言うまでもない。
 
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋
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