続いて新守護神のロマン・ビュルキ（←フライブルク）は、ブンデスリーガの試合ではロマン・ヴァイデンフェラーからポジションを奪った。これまでいくつか弱いところも見せているが、長期的に見れば、良いチョイスだったと言えそうな予感がある。
同じ予感を、ゴンサロ・カストロに対しても抱けるかどうかは、現時点では疑問である。レバークーゼンから加入した彼は、1100万ユーロと今夏では最も高い買い物だった。しかし経験豊富なMFは現在、スタメンからは遠ざかっており、その心中は穏やかではないだろう。
韓国代表DFのパク・チュホは、左SBマルセル・シュメルツァーのバックアップとして獲得した。トゥヘル監督がマインツ時代からよく知る選手だ。
そして最後に、非常に重要な役割を担うことになるかもしれないのが、アドナン・ヤヌザイである。マンチェスター・ユナイテッドから１年のレンタルで加入したベルギー代表MFが、ブンデスリーガに早く慣れることができれば、マルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリアン、香川真司が休息を得ることも可能になるかもしれない。
今シーズンもドルトムントは欧州カップ（ヨーロッパリーグ）に出場するため、主力選手の負担は大きなものとなると考えられ、彼らにリフレッシュする時間を与えられるか否かは、チームが好結果を残すうえで非常に重要な要素となる。
昨シーズン、ドルトムントは6000万ユーロ（税抜）を投資しながら、何人かで失敗した（カンプル、インモービレ、現時点ではアドリアン・ラモスも含まれるだろう）のに対し、今回は戦力的にも財政的に見ても、利益が多かったと言えそうだ。
チームは24人とスリム化した。それゆえ、あまり怪我人を出せないという制約はあるものの、おそらくは何の不安もなくシーズンを戦うだけの強さを持ち合わせているに違いない。
文：マルクス・バーク
翻訳：円賀貴子
Marcus BARK
マルクス・バーク／地元のドルトムントに太いパイプを持つフリージャーナリストで、ドイツ第一公共放送・ウェブ版のドイツ代表番としても活躍中。国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿する。1962年７月８日生まれ。
ヤヌザイがフィットすれば他の主力選手に休息を与えられる。
マンチェスター・ユナイテッドではポジションを争った香川とヤヌザイ。ドルトムントでは、やや役割が異なるだろうが、ドルトムントにとっては層を厚くする存在として期待が大きい。 (C) Getty Images
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