後半からはCBも務めました。自身のミスが失点につながってしまった部分はありますが、代表で初出場ということも考えれば、気にすることはありません。

　パラグアイ戦では自分の力を周りの選手たちに認めさせた部分もあり、スピードで見劣りすることもない。ただ、大きくて強いだけでなく、しなやかさもある。以前はボランチも務めていてユーティリティ性も高く、代表のメンバー争いに大きな刺激を与えたと思います。

　森保ジャパンでは常連のメンバーが多く、チームの完成度は高かったと思いますが、ワールドカップでベスト８以上を目指すなら、もっとチームとしてレベルアップしなければいけません。そのためには競争が必要で、若い選手がこうして台頭してきたのは非常に明るい材料。

　また、伊藤選手としても代表招集をきっかけに急速に成長する可能性もあります。そういう伸びしろの部分もチームにとって良い刺激になるでしょう。

　伊藤選手のパラグアイ戦での出来を考えれば、６月６日のブラジル戦でも起用してほしいですね。今回は出場していない、伊東純也選手や、南野拓実選手とプレーしたらどうなるのか。強度の高い相手に対してどんなプレーができるのか。考えると、すごくワクワクしますね。
 

【著者プロフィール】
市川大祐（いちかわ・だいすけ）／1980年5月14日、静岡県出身。現役時代は日本代表の右サイドバックとして活躍したクロスの名手。1998年に17歳でA代表デビューすると、2002年の日韓W杯でも活躍。アカデミー時代から過ごした清水ではクラブ歴代3位となる325試合に出場した。2016年に現役引退後は指導者の道に進み、現在は清水エスパルスJr.ユース三島U-13で監督として活躍中。

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