• トップ
  • ニュース一覧
  • 【喜熨斗勝史の欧州戦記|第14回】いつまでも5~10年遅れでは…今、日本と欧州の違いを明確にする必要がある

【喜熨斗勝史の欧州戦記|第14回】いつまでも5~10年遅れでは…今、日本と欧州の違いを明確にする必要がある

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年05月31日

日本は独自の戦術を構築しないと…

ネマニャ・グデリとドラギ・グデリ(写真左上)、フィリップ・ジュリチッチ(写真右上)、ステファン・ミトロビッチ(写真左下)、アレクサンダー・ミトロビッチ(写真右下)と写る喜熨斗コーチ

画像を見る

 戦術面に関して言えば、世界に発信していくオリジナルなものが必要でしょう。なぜかといえば外国人と日本人では体格もキャパシティも違います。彼らと同じことをしていても追い付くのは難しい。

 ポジショナルプレーや5レーンは主流ですが、欧州ではすでに当たり前のこと。監督によってサッカーが左右されるのでなく、独自の戦術を構築しないと日本はいつまでも欧州の5~10年遅れになってしまいます。

 独自路線を突き進むには結果を出さなければいけないリスクを伴うのも理解しています。口でいうほど簡単ではない。でもトライしていく価値はあるのではないでしょうか。
 

フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督(写真左)と喜熨斗コーチ(写真右)の2ショット

画像を見る

 体力は、ルール変更によって従来の認識を改めていくタイミングかと感じます。現在は5人までメンバー交代が可能。GKが交代しないとすれば90分間プレーするのは、フィールド選手の5人だけ。半分はフルに出場しなくてもいいのです。

 欧州は上手く選手をローテーションさせていますが、それによってインテンシティを落とさない試合が多くなっています。試合だけではなく、ローテーションで回すことができれば普段の練習のインテンシティも落とさず、もっと上げることができます。選手に求められる戦術も技術もひとつ上がるのです。

 もちろん猛暑のなかでの試合が多い日本と、比較的涼しい欧州の気候面の違いは解消できない問題ですが、イタリアーノ監督も「今後はよりディテールを意識しないといけない時代」と言っていました。

 VARが入ったことでディフェンスラインの上下連動を繊細にしないといけないですし、数センチのギャップによってオンサイドとオフサイドに分かれます。フィオレンティーナがその点にこだわってプレーしているのが感じ取れましたし、日本ももっと数センチを追求する必要性があります。何よりも指導者が、そこに気づかなければ進歩も成長もありません。

 ここまでストレートに言わせていただきましたが、5月30日からはセルビア代表の合宿が始まり、代表の強化に尽力します。ヴラホヴィッチは今回休養させましたが、これまでのメンバーをベースに、ジョルジェ・ヨヴァノビッチら新しい選手を加えて臨みます。3月の親善試合デンマーク戦(0ー3)で出た課題や基本の立ち返り、そしてミスター(ドラガン・ストイコビッチ監督)の目指すサッカーの精度を向上させていきます。
【関連記事】
【喜熨斗勝史の欧州戦記|第13回】W杯の抽選結果をセルビアはどう見た? 同じ第3ポッドでも日本とは決定的な違いがある
【喜熨斗勝史の欧州戦記|第11回】“日本らしさ”とは? 考えさせられたFIFAからの言葉「スタイルを持ち続けているのか」
【喜熨斗勝史の欧州戦記|第10回】松木玖生に「もったいない」という感情を抱いた理由。セルビアにおける16から18歳の実情とは――
「信じられへん」本田圭佑が驚いた岡崎、長谷部、吉田らの行動とは?「僕は怖くてできなかった」
「まるで高校の修学旅行だ」韓国入りしたブラジル代表の面々が遊園地で大はしゃぎ! 一方、練習ではネイマールが豪快ショットを連発!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ