【柏】 ステージ首位浮上の立役者。武富を支える“無心の極み”

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年08月21日

「チームに貢献した覚えがない」と自虐的だった男は、いまやチームのキーパーソンに。

快進撃を支える攻撃の立役者・武富(15番)と守備の立役者・鈴木(4番)。松本戦ではともにゴールを挙げ、暫定首位浮上に貢献した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっとも、この日の活躍はゴールだけにとどまらない。松本陣内のギャップに入り込んでボールを受け、キム・チャンスや工藤壮人らとの「コンビネーションで崩していく」(武富)イメージを持っていたという。開始直後の9分には武富の展開からキム・チャンスがゴール前にクロスを上げ、39分には工藤にスルーパスを通してチャンスを演出。相手の3バックを5バックにさせ、中盤のスペースを生み出す“功労者”でもあった。
 
 キャプテンの大谷秀和も、「相手が攻撃に出た際は人数をかける分、ウチがボールを奪ったら中盤に広いスペースがある。自分とバラ(茨田陽生)が後ろで組み立てている間に、タケ(武富)が上手く相手の嫌な位置に入って前を向く形が作れた」と武富のプレーの効力を証言する。
 
 今季インサイドハーフでスタートしたポジションは、レアンドロの退団でウイングに移り、前節の広島戦ではCFとしてチェイス役をこなした。松本戦では3試合ぶりにインサイドハーフに戻ったが、日替わりの役割にも「連戦なので仕方ない」と割り切り、与えられた仕事をまっとうしているのが奏功している。
 
「今は後ろから良いパスが入ってくる。相手が食い付いてくれるので前としてもやりやすいし、攻撃は安定していると思う。守備でも(鈴木)大輔くんを中心にしっかり撥ね返してくれている。攻守でチームとしてやりたいことができていて、良い流れも来ているので、このまま順位(首位)を守れるようにしたい」
 
 今季5年ぶりにチームに復帰した際、「(在籍した2009、10年で)チームに貢献した覚えがない」と自虐的に語っていた男は、今や“黄金世代”と呼ばれた同期の工藤にも負けないほどのキーパーソンになりつつある。「10年前から構想に入っていた」と話すアカデミー時代の恩師・吉田監督の下、背番号15はサポーターの前でさらなる成長を遂げるはずだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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