観戦していて退屈なゲームはひとつもなかった
その後、上位対決で白星を並べ、優勝への道筋を確かなものにすると、田中美南の復調に合わせて、アウェーのベレーザ戦(16節)からは重心を前にかけていく。
リスクを背負っての攻め合いにチャレンジした結果、優勝がかかる延期分の11節・サンフレッチェ広島レジーナ戦で今季初黒星(星川監督にとってはI神戸での3シーズンで初めて)を喫したが、4日後の20節・ノジマステラ神奈川相模原戦では広島R戦の敗戦を良薬にして復元力を発揮。相手の決定機を阻止し、その直後にゴールを奪うスリリングな展開で3-0の完勝を収め、優勝を決めてみせた。
5月14日に行なわれる次節は、皇后杯女王の浦和Lとの「日本女子サッカーの頂上決戦」と言えるゲームだ。この試合は、国立競技場で行なわれ、キックインセレモニーには、I神戸OGの澤穂希氏、澤氏と同じく元日本女子代表の宮間あや氏が登場する。
澤氏が在籍した10年前にI神戸で指揮を執っていたのも星川監督。当時は、圧倒的に強いI神戸への敗北を最初から受け入れ、失点数を減らすことに特化するチームさえあった。星川監督は、奇妙な試合運びを強いられる状況を嘆いた。
「ウチが勝っているのに、リードされている相手が自陣を固めて出てこない。勝つだけなら、そこで試合を締めれば終わり。でも、試合を見に来てくれているお客さんを満足させたいから、カウンターのリスクを背負って出て行くしかない」
リードした強者が、戦意喪失した弱者をただ見下ろすだけなら、タイムアップまでの時間は、観客にとって苦痛でしかない。興行試合での1-0は、対戦相手に自分たちを追ってくる力とプライドがあるからこそ、成立する。
リスクを背負っての攻め合いにチャレンジした結果、優勝がかかる延期分の11節・サンフレッチェ広島レジーナ戦で今季初黒星(星川監督にとってはI神戸での3シーズンで初めて)を喫したが、4日後の20節・ノジマステラ神奈川相模原戦では広島R戦の敗戦を良薬にして復元力を発揮。相手の決定機を阻止し、その直後にゴールを奪うスリリングな展開で3-0の完勝を収め、優勝を決めてみせた。
5月14日に行なわれる次節は、皇后杯女王の浦和Lとの「日本女子サッカーの頂上決戦」と言えるゲームだ。この試合は、国立競技場で行なわれ、キックインセレモニーには、I神戸OGの澤穂希氏、澤氏と同じく元日本女子代表の宮間あや氏が登場する。
澤氏が在籍した10年前にI神戸で指揮を執っていたのも星川監督。当時は、圧倒的に強いI神戸への敗北を最初から受け入れ、失点数を減らすことに特化するチームさえあった。星川監督は、奇妙な試合運びを強いられる状況を嘆いた。
「ウチが勝っているのに、リードされている相手が自陣を固めて出てこない。勝つだけなら、そこで試合を締めれば終わり。でも、試合を見に来てくれているお客さんを満足させたいから、カウンターのリスクを背負って出て行くしかない」
リードした強者が、戦意喪失した弱者をただ見下ろすだけなら、タイムアップまでの時間は、観客にとって苦痛でしかない。興行試合での1-0は、対戦相手に自分たちを追ってくる力とプライドがあるからこそ、成立する。
I神戸は今季ここまで18試合を戦い、15勝2分1敗。その15勝のうち、半数以上の8勝が、10年前は許されなかった1-0。I神戸が狙い通りにシャットダウンしたゲームと、土俵際まで追い詰められたゲームが混じっているが、観戦していて退屈なゲームはひとつもなかった。
さらに言えば、今季、先制したI神戸の逃げ切りを唯一阻止したのは、その時点で最下位のちふれASエルフェン埼玉である。上から下まで力が接近した、WEリーグの面白さが垣間見える。
10年前のやり取りを思い出しながら、星川監督に話を振ると「今は、1-0でもつまらないという感じの試合はないと思います」と笑顔を見せた。「8つのウノ・ゼロと1つの失敗」には、日本の女子サッカーリーグが10年で歩んだ着実なレベルアップと、そこで独走Vを飾った初代女王の真価がハッキリと示されている。
取材・文●西森彰(フリーライター)
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10年前のやり取りを思い出しながら、星川監督に話を振ると「今は、1-0でもつまらないという感じの試合はないと思います」と笑顔を見せた。「8つのウノ・ゼロと1つの失敗」には、日本の女子サッカーリーグが10年で歩んだ着実なレベルアップと、そこで独走Vを飾った初代女王の真価がハッキリと示されている。
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