日本人選手が躍動するスコットランドで起きた、「日の丸撤去事件」の裏事情【現地発】

カテゴリ:海外日本人

スティーブ・マッケンジー

2022年05月06日

1試合の"遠征"では史上最多の8万人がセビージャに

22節、レンジャーズとのオールド・ファームでは旗手(左)が2得点・1アシストの活躍で3-0の勝利に大きく貢献。会場を盛り上げた。 (C)Getty Images

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 セルティックはカトリック系ということもあって人気はグローバルで、世界中にサポーターの輪が広がっている。全世界のファンが一堂に会するコンベンションが毎年の恒例行事で、よくラスベガスなんかで開催されている。何万人規模の集まりで、機会があれば一度は参加してみたいなと思っているんだよね。

 両親がスコットランドの生まれで、だからスコットランド代表に肩入れしているという僕のバックグラウンドは以前、このコラムで話したことがあったよね。このルーツがあるからなのか、セルティックも大好きでね。ただ、両親はレンジャーズ派で、僕のセルティック好きは妻と友人の影響が多分にある。

 仕事ではなく、ファンとして観戦に行くこともしばしばで、ちょっと古い話だけど、セビージャまで足を運んだ03年のUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)決勝は懐かしい思い出だ。ヘンリク・ラーションがエースの時代で、中盤にも後に監督として5回のリーグ優勝を果たすニール・レノンに、ブルガリア代表のスティリアン・ペトロフという素晴らしいタレントが揃っていて強いチームだった。
 
 対戦相手は、この翌シーズンにチャンピオンズ・リーグを制することになるジョゼ・モウリーニョのポルト。デコがいて、その後にチェルシーで活躍するリカルド・カルバリョやパウロ・フェレイラがいて、こっちも良いチームだったよね。

 試合は2-2のスコアのまま延長にもつれ込み、最後はデルレイに決められて優勝には惜しくも手が届かなかった。

 このとき、大挙してセビージャに押し寄せたセルティック・ファンはおよそ8万人。会場となった「オリンピコ・セビージャ」のキャパシティー、5万3000人弱に対してだよ。8万人というサポーターの数は、1試合の"遠征"では史上最多とUEFAが認め、観戦マナーも素晴らしかったということで、この時のセルティックのファンにFIFAからフェアプレー賞が贈られたんだ。だから、そこにいた僕もその受賞者ってわけだね。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

Steve MACKENZIE
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーターだ。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で手掛け出版した。

※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年4月7日号より加筆・修正
 
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