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データには表われないペドリの「ゲーム支配力」。日本がW杯で対戦する“イニエスタ2世”は何が凄いのか【現地発】

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2022年04月17日

グアルディオラ、シャビ、ブスケッツの3選手を連想させる

バルサでは19歳とは思えない別格のプレーを見せている。(C)Getty Images

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 ペドリはアンドレス・イニエスタを彷彿させると言われ、それは事実だが、同時にバルサのアイデンティティがその独特な個性を形作ったジョゼップ・グアルディオラ、シャビ、セルヒオ・ブスケッツの3選手を連想させる。

 3人は三者三葉にフィジカル化の流れが加速する一方の現代フットボールのアンチテーゼでもある。グアルディオラは、スプリント、ジャンプ、コンタクトプレーいずれのプレーにも向かない選手だった。シャビはアスリート能力の高い選手が闊歩する世界において、小型ディーゼル車のように見えた。

 線が細くひ弱そうなブスケッツは、巨漢MFとしてバルサ退団後、新天地を求めたマンチェスター・シティでレジェンドとなったヤヤ・トゥーレから1か月足らずでポジションを奪った。このところの大活躍でペドリに対する評価は高いレベルで推移し始めたが、その彼ですら不信、疑念、小言のような批判を免れることはなかった。

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「爆発力がない」、「サイズ不足」、「横パスばかりしている」、「激しい肉弾戦に耐えられるだけの身体ではない」というのがネガティブ派の意見だった。中でもやり玉に挙がったのが得点の少なさだが、くしくもイニエスタも同じことを言われていた。確かにイニエスタは二桁得点を決めたシーズンは1度もない。しかしその一方でバルサとスペイン代表で歴史に名を刻むゴールを決めたのは周知の通りだ。

 そうした偉大な先駆者たちと同様に、ペドリはフットボールの言葉を知り尽くし、そのボキャブラリーをチームのために最も適切な形で活用する術を心得ている。完璧な共生だ。ペドリのすごさはビッグデータではなく、その知恵の神秘性によって計測される。

 言うなれば、それは一部の特権的地位を得た少数民族だけが享受する栄誉である。ペドリが示していることは、すなわち選ばれしわずかなトッププレイヤーはデータ分析だけでは吸い上げることができないというフットボールの奥に潜む深遠さだ。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
 
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