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先制点奪取の“川崎トリオ”を支えた選手たち。原口元気、伊東純也、上田綺世の効果的な動き

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2022年03月26日

間延びが生じる状況を作ったスターターの選手たち

点を取って勝点3を取るという意識があり、ベクトルがゴールに向いていた豪州戦。2-0の完勝で日本は大会連続7回目のW杯出場を決めた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 伊東は中寄りでシンプルに落とすと、前向きにボールを受けた原口が右外の山根に斜めのパスを出した。そこから山根は伊東と2人の関係で右サイドを攻略しようとしたが、3人のディフェンスに阻まれた。そこで伊東からバックパスを受けた原口が、素早く右外の山根に正確なパスを付ける。

 ここで山根と伊東でオーストラリアの3人を引き付けていたが、山根は左サイドバックのキングにマークされながらも、右足アウトサイドで中の守田に付けた。そこから先述の通り、川崎の3人で攻撃を完結させるわけだが、伊東は守田の背中側からゴール前の中央に回り込んで、ステンスネスを引き付けた。

 山根のマイナスクロスを最後は三笘が決めるが、受け手になり得たのは三笘だけではなかった。同じく途中出場だった上田だ。守田から山根に縦パスが出たとき、上田はオーストラリアのセインズベリーと右サイドバックのグラントの間にポジションを取っていた。そこから山根の位置に合わせてディフェンスの間に入って行くことで、三笘へのコースが開いた。

 こうしたゴールというのは、直接ゴールに絡んだ選手、絡んでいない選手がそれぞれ効果的なポジショニング、動きを取ることで生まれるのは当然だが、ここで評価したいのは、チームとして点を取って勝点3を取るという意識があり、ベクトルがゴールに向いていたこと。そうした流れに導いたのは、スタートから出た浅野拓磨や南野拓実、田中碧といった選手たちだ。
 
 当然、彼らのところで決めきれたら理想的だったが、勝たなければいけないオーストラリアに間延びが生じる状況を作ったスターターの選手たちの働きは評価したい。そして遠藤航が「前の選手はチャンスがあれば取るというのを常に90分保てたと思うし、後ろは後ろで前が取ってくれることを信じて、失点しないことを考えてプレーしていた」と振り返るように、後ろがリスク管理を徹底していたことが、こうした流れを生んだことも軽視できない。

 得点者の三笘をはじめ山根、守田と、彼ら3人が称賛されるのは当然だ。しかしながら90分、厳しいコンディションでミスも多く、難しい試合の中で勝ってワールドカップを掴み取るという姿勢を打ち出した選手たち、そうしたチームのマインドを促した森保一監督と日本代表のスタッフ。月並みだが全員で掴み取った勝利にふさわしいゴールシーンだった。

取材・文●河治良幸

【ハイライト動画】日本、三笘2発で豪州2-0撃破! 7大会連続7回目のW杯出場!

【PHOTO】終了間際に2得点!日本をW杯へと導く貴重なゴールを決めた三笘薫!

【PHOTO】難敵オーストラリアを撃破しW杯出場を決めた!歓喜に湧くSAMURAIBLUEを特集!
 
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