本大会を見据えても解決すべきテーマ。リスタートは日本の新たな得点源となるか?

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年03月23日

比較的高さのある面々をうまく使うのも重要

アドバンテージがあるとすれば、吉田の復帰。189センチの彼と186センチの板倉の“高さ”に期待したい。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部)

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 1月の中国戦は監督交代で全然情報が分からなかった。そこでリー・シャオペン監督が直前に率いていた中国1部・武漢の映像を入手し、2年間遡ってセットプレーを抜き出して調査。弱点を導き出したうえで、中山雄太(ズウォーレ)のスローインから伊東がダメ押し点を叩き出している。

「スローワーにマークがいないのは事前の情報にあったので、それを有効的に使った。5タッチ以内のゴールはリスタートの範囲内。つまり、我々の分析の成果が出たということ」と反町委員長は胸を張っていた。

「選手たちがすごくコミュニケーションを図っているというより、スタッフに分析してもらって、それを落とし込む量だったり、攻撃の戦術オプションは増えてきていると思う」と遠藤も今年に入ってからの前向きな変化を感じている様子。確かにいい方向に進んでいると言っていい。

 ただ、今回の最終予選では、CKやFKからダイレクトにゴールが生まれていないという苦い現実もある。高さのある豪州にどんな工夫をすれば、スキを突いたり、違いを作ることができるのか。森保一監督がキッカーに指名している伊東のボールの精度を含め、短期間で改善の余地がありそうだ。

 日本にとってアドバンテージがあるとすれば、1・2月の中国・サウジアラビア2連戦に不参加だった吉田の復帰だ。189センチの彼と186センチの板倉滉(シャルケ)はともに競り合いに強く、ヘディング弾を決められる存在だ。
 
 180センチ超の大迫勇也(神戸)と酒井宏樹(浦和)の不在は痛いが、上田綺世(鹿島)や田中碧(デュッセルドルフ)ら比較的高さのある面々をうまく使うのも重要。止まったボールを確実にゴールに沈める力のある久保建英(マジョルカ)も控えている。そういった戦力をどのように有効活用して、壁をこじ開けるのか。この課題はカタールW杯本大会を見据えても、可及的速やかに解決しなければならないテーマと言っていい。

 過去を振り返れば、下馬評の低かった2010年南アフリカW杯の日本代表がベスト16入りを果たせたのも、遠藤保仁(磐田)と本田圭佑という名手が揃って直接FKを叩き込んだことが大きかった。その以前も中村俊輔(横浜FC)や中村憲剛らひと蹴りで流れを変えられる逸材がいた。

 今はそういった人材が手薄なだけに、敵が想像できないような緻密にデザインされたセットプレーが複数必要になる。前回シリーズで酒井がロングスローを投げたようなサプライズをいくつか見せることで、豪州の強固な守りを打破できるはず。大いに期待したいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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