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【韓国メディアの反応】“日本は怖がっていた”との評価に加え、スタイルの変化に驚きの論調も

カテゴリ:日本代表

慎武宏

2015年08月06日

「勝利のために手段と方法を選ばないチームに変化しようとしている」(『FOOTBALLIST』)

ハリルホジッチ監督の下、スタイルを変えようとする日本を、隣国の韓国も興味深く伝えている。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 そんななかで目を引いたのが、意外なハリルジャパン評である。韓国から見ると極めて守備的だったハリルジャパンの戦いぶりについて、シュティーリケ監督は「日本は怖がってラインを下げていた」と語り、選手たちは驚きともやや拍子抜けとも取れる感想を漏らしている。
「日本が後ろに引くとは考えてもいなかった」(チャン・ヒョンス)
「守備的に来るとは予想していなかった」(チョン・ウヨン)
「今日の日本はいつもよりも我々を恐れているようだった」(イ・ジェヨン)
 
 選手たちはこう語っているが、韓国メディアも日本の戦いぶりに驚きを隠せないようでもある。
 
 例えば『エクスポーツ』だ。「日本はなぜボール支配率を捨てた“アンチフットボール”をしたのか」と題した記事の中でこう分析している。
「日本は韓国との試合でボールポゼッション率だけはいつも圧倒的だった。しかし、今回は違う。自らそれを捨て、全員が守備に重点を置く“アンチフットボール”をした。そこにはハリルホジッチ監督と日本のさまざまな事情があるのだろうが、結果よりも自ら引いたという事実が日本にはもっと痛恨だろう。負けたとしても果敢に挑戦する勇気が不足していた。シュティーリケ監督が“日本は怖がっていた”という評価はそれを指摘している」
 
 ただ、同じ韓国メディアでもサッカー専門メディア『FOOTBALLIST』の見解は異なる。「実利を選んだ日本、だからこそもっと怖い」と題した記事で、同メディアはこう評価しているのだ。
「こんな日本は初めてだ。以前だったら想像もできない“労働者型”のサッカーをした。ただ、これまでが正常ではなかったのかもしれない。勝敗の命題よりもスタイルと哲学に執着し、結果に対する勝負欲よりも自分たちのプレーに集中することがまず先だった。それは美しかった半面、勝てるチームではなかった」
 
「現時点での代表チームの戦力を評価するなら、韓国のほうが日本を上回っている。だが、ハリルホジッチ監督は就任してまだ半年も経っていない。それを加味すると、北朝鮮戦と韓国戦で選手たちが見せた戦術遂行能力は驚くべき水準だ。これからもっと時間を費やしたあと、どう変化するかは分からない。韓日戦で明らかなったのは、彼らが勝利のために手段と方法を選ばないチームに変化しようとしている事実だ」
 
 3試合連続で勝てず日本ではなにかと厳しい視線にさらされているハリルジャパンだが、韓国のほうが意外と評価が高いのかもしれない。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)
 
 
慎 武宏
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
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