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名波体制2年目のカギは原点回帰とカメレオン戦法。松本山雅、開幕戦ミラクル逆転劇はJ2復帰への光明となるのか? 

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2022年03月14日

失われつつあった反町監督時代の強みが甦ってきた

 流通経済大出身の新人・菊井悠介が登場した後半は、攻撃のギアが一段とアップ。数多くのチャンスを作った。讃岐の西村俊寛監督も「後半は相手の個のところにひるんでいた。相手の15番(菊井)もいいポジションを取ったので、マークが捉えきれなかった。選手に疲れも出て、相手に上回られた」と渋い表情で話したが、山雅の走力や推進力が敵を凌駕したということだろう。

 それは合宿のひとつの成果。名波監督も「和歌山で走った分、最後まで持った」とコメントしたが、走力と強度のベースを養ったのは大きい。「原点回帰」を今季スローガンに据える松本山雅にとって、最後まで諦めずに走ってボールを追うことはまさに根本的な部分。反町監督が去った後はその強みが失われつつあっただけに、ようやく希望が見えてきた印象だ。
 
 後半途中から榎本樹、小松、稲福卓ら若い面々が出てきて躍動感をもたらしたのも特筆すべき点。この2年間、若返りを重要テーマに据えながら、実行しきれないまま来ていたが、今季はカテゴリーが下がり、名波監督も大胆起用がしやすくなったのだろう。フレッシュな人材が存在感を示せば、チーム内競争も激化する。全員がギラギラと野心を押し出す集団になってこそ、1年でのJ2復帰への道が開ける。その一端が見えたのは収穫だ。

 こうしたポジティブな面はいくつかあったが、決定力不足という課題は相変わらずだ。後半アディショナルタイムに菊井の右CKから途中出場の外山凌が2点目を叩き出し、なんとか勝ち切ったものの、決め切る迫力が足りないし、流れの中からの得点は取れていない。

 デザインされたセットプレーが増えたのは前向きな要素だが、やはり1年での昇格を手にしようと思うなら、傑出した得点源が必要不可欠だ。昨季1年間をケガでほぼ棒に振ったルカオ、東京ヴェルディからレンタルバックした戸島章、山雅育ちの小松、プロ初ゴールを奪った横山らFW陣の中から二ケタという数字を残せる人間が出てこないと厳しい。率直に言えば、開幕戦の内容では確実に昇格争いができるとは言い切れない部分もあるだけに、攻撃陣にはさらなる奮起を求めたい。
 
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