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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第11回】“日本らしさ”とは? 考えさせられたFIFAからの言葉「スタイルを持ち続けているのか」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年03月01日

FIFAの方に言われたのが…

セルビア代表のコーチングスタッフにFIFAの会議の報告をしている様子

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 FIFAの方に言われたのが「セルビアはスタイルを持ち続けているのか」ということでした。オランダの育成理論『ダッチビジョン』は有名ですが、ベルギーもトップチーム以外は4-3-3、そしてゾーンシステムを採用している、と例を出して説明してくれました。

 ベルギーにはトライアングルの作り方や動き方、ポジションの取り方、そして各年代で何を習熟させるか、どこに注意するかということが細かく明記されている文書があるというのです。「セルビアも作っていかないといけない」と言われたのは胸に響きました。

 その意味で日本はどうなのだろうか、とも考えました。よく“日本らしさ”という言葉を耳にしますが“らしさ”とは何なのだろうか、と。

 日本はJグリーン堺や夢フィールドなど施設が充実しています。人口もセルビアよりも断然多く、その分、サッカー人口も多いです。

 ただ、まだ明文化できるだけの自分たちのスタイルを確立はできていないのではないでしょうか。サッカー人口が多いということは、逆に言えばひとつにまとめあげるのが難しくなることと理解していますが、今後、日本サッカー界全体で見つけていくことがサッカー文化浸透の促進につながると思います。
 
 そしてFIFAの方も仰っていましたが、やはり育成年代の選手の成長を促すのは「厳しい環境に身を置くこと」。ミスター(ドラガン・ストイコビッチ監督)も「若手には苦労をさせないといけない」と口にしていますが、ミスターの現役時代は旧ユーゴスラビア代表で現在の7か国が22人(当時)の枠を争う時代でした。旧ユーゴスラビアが強かったというのは、熾烈な争いがあったことも一因でしょう。

 現在は世界中がコロナ禍で、島国の日本は育成年代の海外遠征も少なくっています。決して海外がすべてではないですが、日本にいながらでも視線や意識はより厳しい世界へ向けていく必要性も改めて感じました。
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