個人の力が集団や戦術のなかで活かされない現状。
一方勝利したチェンライにも3人の元Jリーガーがいる。名古屋で活躍した杉本恵太選手は右SBでフル出場。得点の起点となり、この試合ではアシストを記録。僕の知る「杉本」から成長し、チームの勝利のために黒子の役割に徹することもできる貴重な選手へと成長していた。本人にとっては慣れない、新しいポジションを真面目に忠実にプレーするなかで、持ち前のスピードを活かした絶妙なタイミングでの攻撃参加も見られた。これが成長の証しだ。
村上一樹選手(元岐阜)はJリーグでは派手な印象はないが、玄人好みするCBだろう。オーガナイズを苦手とするタイ人の選手と上手くコミュニケーションを取りながら、チャレンジとカバーを繰り返し、失点ゼロに貢献していた。
タイリーグの特徴として、個人の力での打開、言い方を悪くすると個人に頼る、外国人選手に頼るという部分がある。チェンライ・Uの攻撃陣は、Kリーグを経由してTPLに入ってきたレナンというブラジル人選手が中心だが、もうひとり元川崎フロンターレのレナチーニョ(タイでの登録名はレナト)も助っ人として大きな期待を懸けられているはずだ。
僕は以前、レナチーニョと話をしたことがあるが、日本語も上手く、礼儀正しい好青年タイプ。この試合では彼の良さはあまり活かされていなかったが、ボールタッチの柔らかさやセンスは、さすがブラジル人選手というところを感じさせた。
このように日本からタイに活躍の場を移した選手を中心に紹介する形になったが、やはりタイのサッカーの特徴は、個人にスポットが当たってしまうものだ。
そこはポジティブに捉えることもできるが、一方でグループとして戦うには規律や組織、緻密さが必要になる。こうした面はTPLのチームでさえ物足りない。要するにコレクティブさがない。攻守に集団的、戦術的ではない。どうしても個人の力に任せ、外国人頼みの戦術なのである。
ここで一言
「頼るのではなく、活かす」
個に頼るのではなく、個人を活かす、外国人選手を活かせるものへと変わっていかなければ、チームとして進歩はない。フィールドプレーヤーほか7人のタイ人選手がいかに成長して外国人選手と融合し、コレクティブに連動したサッカーができるか。それが、これからのタイ・サッカーの進化の鍵になるはずだ。そして、個に頼ったチームが勝つのが難しい、個人の力だけで活躍するのが難しいリーグになっていかなければならないのだ。
軽い日帰り小旅行の話をするつもりが、ついどっぷりとサッカーの深い話にハマってしまった。近々、良い知らせができると嬉しいのだが、今はチェンマイで自分にできることをやるだけだ。
タイでは第二の都市と言われるチェンマイだが、僕にとってはやはりサッカーがなければ面白くない。
2015年7月28日
三浦泰年
村上一樹選手(元岐阜)はJリーグでは派手な印象はないが、玄人好みするCBだろう。オーガナイズを苦手とするタイ人の選手と上手くコミュニケーションを取りながら、チャレンジとカバーを繰り返し、失点ゼロに貢献していた。
タイリーグの特徴として、個人の力での打開、言い方を悪くすると個人に頼る、外国人選手に頼るという部分がある。チェンライ・Uの攻撃陣は、Kリーグを経由してTPLに入ってきたレナンというブラジル人選手が中心だが、もうひとり元川崎フロンターレのレナチーニョ(タイでの登録名はレナト)も助っ人として大きな期待を懸けられているはずだ。
僕は以前、レナチーニョと話をしたことがあるが、日本語も上手く、礼儀正しい好青年タイプ。この試合では彼の良さはあまり活かされていなかったが、ボールタッチの柔らかさやセンスは、さすがブラジル人選手というところを感じさせた。
このように日本からタイに活躍の場を移した選手を中心に紹介する形になったが、やはりタイのサッカーの特徴は、個人にスポットが当たってしまうものだ。
そこはポジティブに捉えることもできるが、一方でグループとして戦うには規律や組織、緻密さが必要になる。こうした面はTPLのチームでさえ物足りない。要するにコレクティブさがない。攻守に集団的、戦術的ではない。どうしても個人の力に任せ、外国人頼みの戦術なのである。
ここで一言
「頼るのではなく、活かす」
個に頼るのではなく、個人を活かす、外国人選手を活かせるものへと変わっていかなければ、チームとして進歩はない。フィールドプレーヤーほか7人のタイ人選手がいかに成長して外国人選手と融合し、コレクティブに連動したサッカーができるか。それが、これからのタイ・サッカーの進化の鍵になるはずだ。そして、個に頼ったチームが勝つのが難しい、個人の力だけで活躍するのが難しいリーグになっていかなければならないのだ。
軽い日帰り小旅行の話をするつもりが、ついどっぷりとサッカーの深い話にハマってしまった。近々、良い知らせができると嬉しいのだが、今はチェンマイで自分にできることをやるだけだ。
タイでは第二の都市と言われるチェンマイだが、僕にとってはやはりサッカーがなければ面白くない。
2015年7月28日
三浦泰年