【広島】無傷の4連勝で年間勝点1位に浮上。盤石の秘密は「3本の矢」にあり

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年07月26日

年間勝点で首位に立つも、選手たちに一切の慢心はない。

故障離脱の柴﨑に代わって起用された野津田。ゴールはならなかったが、プレスを含めた泥臭い守備での貢献は森保監督も高く評価していた。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 また、横浜戦は「チーム力」を改めて証明した試合でもある。前節、今季5得点・4アシストを挙げている柴﨑が左足を痛めて戦線離脱(全治6週間)。代役として入った野津田は得点にこそ絡めなかったが、献身的に守備をこなしてカウンターを発動する一翼を担った。野津田とシャドーのコンビを組んだドウグラスはこう証言する。
 
「サンフレッチェにはクオリティの高い選手がたくさんいる。誰が入っても、そのポジションを埋める力があるし、同じリズムを崩さずにできる。(柴﨑)晃誠が怪我をしてしまったけど、(野津田)岳人がそれを証明したと思うし、(途中出場の森﨑)浩司も含めて、良い選手がいることがチームの強さを生んでいるんだ」
 
 もっとも、これはシャドーに限った話ではなく、1トップ+2シャドーの前線3枚にも言えることだ。現に第2ステージ入ってから、佐藤(仙台戦)、柴﨑(松本戦)、浅野(浦和戦)、そしてドウグラス(横浜戦)と日替わりヒーローの活躍で、リーグで唯一無傷の4連勝を飾っている。
 
「今日はドグ(ドウグラス)が素晴らしい動きをして2点を取った。でも、彼に限らず、攻撃陣にはいろいろな特長を持った選手がいる。試合に応じて様々な選手が活躍しているから、相手は的を絞り切れない。ヒサ(佐藤)だけでなく、ドグ、(浅野)拓磨、ガク(野津田)の全員が相手の脅威になれるのは大きい」(ミキッチ)
 
「今年の我々は2チーム分の戦力があって、“総合力”で勝っていこうというコンセプトがある。今日の勝利は、チームが目指すべき形が実った意味でも、また夏場を総力戦で戦っていく意味でも、自信になると思う」(森保監督)
 
 J1でのクラブ新記録となる10戦無敗で、年間勝点でも浦和を抜いて首位に立った。それでも、選手たちに慢心はない。エースの佐藤は「ずっと1位を保ってきた浦和に、やっと1回ひっくり返しただけ。道半ば」と話し、キャプテンの青山も「結果を出すためには、チャレンジが必要。もっとできるし、これを続けないと勝点を稼げない」と続く。
 
 広島には「あくまで現時点で1位であって、最後に1位でないとなんの意味もない」(森﨑和)という意識が全員に刷り込まれている。ステージ優勝、そして年間勝点1位でチャンピオンシップへ――。“3本の矢”をベースに、タフに、しぶとく勝点を手にする今の彼らなら、そんな青写真を現実のものとしてもなんら不思議はないだろう。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

誰がピッチに立っても、チームのコンセプトやリズムを崩すことなくプレーできる。チームの一体感を含め、広島の強さを象徴するポイントだ。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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