そしてサガン鳥栖にも2人が加入する。「左足からの展開力、パンチ力のあるシュートはとてつもないパワーを持っている。鳥栖にいないタイプの選手なので、鳥栖を変えられると期待している」と中野監督が評したMF菊地泰智は、「大学4年間で得点パターンが増えたと思っています。プロ生活の目標はA代表を目指して日々頑張りたい」と語り、「無名の存在からこの4年間で急激に伸びた選手」（中野監督）と語るMF佐藤響は、「大卒6人が入るということで、鳥栖のサポーターは自分たちに期待をしてくれていると思います。それにプレーで返せるように遠慮せずにやっていきたい」と力強く語った。
 

　今季からJ３を戦うことになった松本山雅FCにはGK薄井覇斗とFW菊井悠介が加入。今季のリーグ戦でほぼ全ての試合に出場をした薄井は、「GKはリアクションの動きは多いけど、アクションを起こして止めに行く判断プレーが成長した。どんなチーム、メンバーでもすぐに中心になって引っ張っていける選手になりたいです」と意気込みを語ると、「江坂任に似ている」と中野監督が評する菊井は「下から上がっていきたいです」とJ２昇格、その先のJ１昇格に向けて思いを口にした。

　最後にDF家泉怜衣、GK鹿野修平、MF永井颯太は今季からJ３に昇格するいわきFCに加入。薄井と同じ流通経済大柏時代から7年間守護神争いをしてきた鹿野は、「覇斗とJのピッチで戦えるように頑張りたい」とライバル心を言葉にすると、家泉は中野監督が「菊池流帆選手を超えられる存在になるかも」と期待を寄せた。「曹貴裁氏が一番評価をしていた選手だった」（中野監督）という永井は、「見ている人がワクワクするような魅力あるプレーをしたいです。目標は皆さんの記憶に残る選手になることです」と宣言をした。

　総勢12名の豪華なプロ加入会見。「彼らが日本のサッカー界を牽引する存在になってほしい」という中野監督の思いを胸に、ここからそれぞれの舞台へと飛び立っていく。

取材・文●安藤隆人（サッカージャーナリスト）