“非常事態”の鹿島に大ナタ――忘れてはいけないのは、全員の当事者意識と覚悟、同じ方向に進む一体感

カテゴリ:Jリーグ

内田知宏

2021年12月28日

これまでなかったことが鹿島で起き始めていることを実感

ホーム最終戦後のあいさつで、三竿は「チームとして変わらないといけない。初歩的なことだけを追求してても、タイトルを獲り続けるチームには、僕はなれないと思います」と語った。写真:田中研治

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 クラブに貢献度の高かった選手たちを放出したこともそうだ。鹿島一筋15年の遠藤康が仙台へ移籍し、大迫勇也、柴崎岳らの海外流出を、プレー面、世代面でカバーしていた永木亮太が湘南へと旅立った。心臓役だったレオ・シルバは名古屋へ。ディフェンスラインの主軸、犬飼智也は浦和へ、町田浩樹のベルギーリーグ挑戦も濃厚だ。来季のアジア・チャンピオンズリーグ出場権を得られなかったことが影響し、多くのベテラン、主力が去っていった。これまでの緩やかな戦力入れ替えとは一線を画す手法で変化を求めていることを強く感じる。

 結果が出なければ、変わる、代えることはビジネスの世界でも一般的だ。勝負の世界ではなおさらシビアに行なわれるべきだろう。5シーズン、国内タイトルから遠ざかっていることは鹿島にとって非常事態だから、その渇望は理解できる。

 一方でこれまで大事にしてきたものが見過ごされないか、不安がないわけではない。今季のホーム最終戦、選手代表のあいさつに立った三竿健斗から発せられた言葉は、クラブ批判とも監督批判とも受け取れる内容だった。これまでなかったことが鹿島で起き始めていることを実感させられた直後だけに、すべての決断を前向きに受け止めることは、まだできない。
 
 奇跡のJリーグ加盟、タイミングを見て行なうチームの再編成など変化を恐れなかったから、多くの栄光を手にできた。練習の緊張感、勝利へのこだわりは継続があって手にしたものと言える。それを上手にやってこられたからこそ、鹿島が築かれた。

 いずれにしてもそこには全員の当事者意識と覚悟、クラブ全体が同じ方向に進む一体感があったことは、忘れてはいけない。「代わるが、強みは変わらない」。鹿島が今後も強くあり続けるために、大ナタを振るった。

取材・文●内田知宏(報知新聞社)

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