• トップ
  • ニュース一覧
  • 「正直、大半の選手が理解できていない」シャビが嘆いた“ポジショナルプレー”の喪失。なぜバルサは自らのサッカーを忘れたのか【現地発】

「正直、大半の選手が理解できていない」シャビが嘆いた“ポジショナルプレー”の喪失。なぜバルサは自らのサッカーを忘れたのか【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2021年12月27日

シャビはクライフとグアルディオラのレガシーそのもの

バルサのサッカーを体現できる選手は、このブスケッツらごくわずかだ。(C)Getty Images

画像を見る

 会長の交代においても同様の傾向が見られる。ジョアン・ラポルタは、ヨハン・クライフのアドバイスを信じてグアルディオラを招聘し、バルサのフットボール文化が花を開いた。しかし、その後を継いだサンドロ・ロセイは、スーパースター至上主義の推進者だった。それが副会長時代にプロジェクトの目玉として迎えたロナウジーニョであり、会長に就任して獲得したネイマールだった。

 しかも、彼の辞任を受けて後釜に座ったジョゼップ・マリア・バルトメウは、そのいずれにも属さないどっちつかずの態度に終始し、フットボリン(スペインで有名な卓上サッカーゲーム)をプレーしているような感覚でクラブを経営した。その結果がネイマールの後釜候補の乱獲やサラリー総額の高騰であり、かくしてバルサは破産寸前にまで追い込まれた。

 そんな優柔不断なバルトメウ政権下で監督を務めたバルベルデ、セティエン、クーマンはいまシャビが今感じているのと同じ疑問を抱きながらチームを率いていたはずだ。彼らは一様に選手たちが長年、身に付けてしまった悪癖を取り除くことができず、バルサスタイルの退化に歯止めをかけることができなかった。
 
 今のバルサはプロフィールもルーツも年齢も加入した経緯もバラバラな選手が混在するチームだ。指導する監督はそんな中で、同じベクトルを向いてプレーさせるという難題に直面し、クーマンはその状況を「これが現実」と表現し、シャビが今回違う形で苦言を呈したわけだ。

 シャビはクライフとグアルディオラのレガシーそのものと言っていい。若き指揮官に求められるのは、グラウンドという原点に立ち返り、ロッカールームにこびりついた悪癖を一掃し、改めてバルサスタイルの方法論を説明することだ。

それには今まで学んだことをリセットし、一から学び直すくらいの気概が必要だろう。これまでのように小手先の取り組みに終始してしまっては、バルサスタイルの復活はない。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。



【PHOTO】C・ロナウド、ネイマール、アグエロ、エジル、ポグバetc…世界的名手たちが誇るスーパーカーを厳選&一挙紹介!
【関連記事】
「日本人にはオススメできない」中村俊輔がスペインで“自信を喪失”した理由を明かす!「久保君や乾君は本当に凄い」
「これが現実なんて腹立たしい」屈辱のCL敗退にシャビ監督が怒り!「もっと要求しないと、バルサなんだぞ」
「皆が驚いている」ピピの名を捨てた中井卓大の“変貌”にマドリー関係者が感嘆!有力紙記者も太鼓判「夢の実現に近づいた」【2021総集編】
「トミヤスを失ったのは大きな痛手だ」冨安健洋のコロナ陽性に現地衝撃!ファンも嘆き「今季最大の試練」
なぜ中国のエースは空港で日本の欧州組を撮影し、反響を呼ぶ投稿をしたのか。その真意を激白!「僕は何度も言ってきた」【2021総集編】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ