悲観するようなコメントは聞いたことがなかった
コロナ禍の影響で取材のほとんどはオンラインだったが、画面越しに映る表情はいつも自信に満ちあふれていた。数試合ゴールから遠ざかっても「全然心配してない。点は取れる時は取れるし、取れない時は取れないから」とまさに泰然自若。チームが上手くいかない時でも、課題などを厳しく指摘することはあっても悲観するようなコメントは聞いたことがなかった。
だからこそ引退会見は印象深かった。「これまで苦しい思いのほうが強くて、それを見せないようにしないといけないと思っていた。細い糸がギリギリつながっているような状態だった」と涙ながらに21シーズンのプロキャリアを語る姿に、賛辞と批判の間で戦い続けていたことを思い知らされた。
だからこそ引退会見は印象深かった。「これまで苦しい思いのほうが強くて、それを見せないようにしないといけないと思っていた。細い糸がギリギリつながっているような状態だった」と涙ながらに21シーズンのプロキャリアを語る姿に、賛辞と批判の間で戦い続けていたことを思い知らされた。
宮崎キャンプでのオンラインインタビュー。「引き際」への考え方について聞くと「これができたら辞める、とかはない。今でも胸張って引退できるから。自分のなかで『もういいかな』って思ったら、ですね。20歳の頃からそう思ってる」と答えたことを覚えている。本人にしか分からない境地で、前人未踏のJ1通算200ゴールまで残り9得点に迫ったタイミングでピッチを離れる決断をした。
プロ入りする際「Jリーグに名を残したい」との思いを胸に秘めていた。その野望は「J1歴代最多得点者」として現実となった。海外移籍も活発になった今、191ゴールに並べる後輩は恐らく現われないだろう。記録にも、記憶にも強烈なインパクトを残したストライカーが現役最後の大会でどれほど驚かせてくれるのか。一瞬たりとも逃さず見届けたい。
取材・文●種村亮(報知新聞社)
【PHOTO】J史上最高のストライカー大久保嘉人が涙…引退会見を特集!
プロ入りする際「Jリーグに名を残したい」との思いを胸に秘めていた。その野望は「J1歴代最多得点者」として現実となった。海外移籍も活発になった今、191ゴールに並べる後輩は恐らく現われないだろう。記録にも、記憶にも強烈なインパクトを残したストライカーが現役最後の大会でどれほど驚かせてくれるのか。一瞬たりとも逃さず見届けたい。
取材・文●種村亮(報知新聞社)
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