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【指揮官コラム】チェンマイFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|大差が付いても闘う姿勢を失ってはいけない!

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年07月14日

「目の前の闘い」から逃げずに闘っているか?

たとえ大差をつけられても目の前の勝負、闘いから逃げない。プロとして、そういう「姿勢」はなにより重要だろう。(C) SOCCER DIGEST

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 サッカーというのは何が起こるか分からない。予期してないことが起こる。予想もしてないような結果に進んで行く時もある。あのジダンでさえ、引退前の最後の試合で頭突きをして幕を下ろした。
 
 それも「世界」なのだ。もちろん自分がやった判定への行為を正当化しようとは思わない。正当化することもできない。やってはいけないことである。ただサッカーで敵わなかったら「足のひとつやふたつ蹴って来い。喧嘩でもして来い」と言いたくなる時もある。それが闘いというものだと思う。
 
 逆転が難しい大差のついた試合になったら、途中で諦めてまたゼロから出直します、で良いのか? 今度はもっと良いサッカーができるように頑張るから、と目の前の闘いについては諦めるのか? また明日から練習し直します、で良いのか?
 
 僕はエレガントな美しい、流れるようなパスサッカーが好きだ。だが、そういうものとは別に、最後まで諦めない、何らかの爪跡を残そうとすることは、闘う男たちが失ってはいけない「姿勢」なのだと僕は考える。
 
 ここでちょっと良い話。
 
 その昔、ボクシングのガッツ石松さんが挑戦者として世界タイトルマッチに臨んだ時の話だ。試合はポイントで明らかにガッツさんが負けていた。そこでセコンドに付いていたトレーナーのエディーさん(エディー・タウンゼントさん)はガッツさんに、こんなアドバイスを送ったという。
「あなたボクシングでは負けているね」
「でもあなた、喧嘩なら誰にも負けない」
 そう言ってリングに送り出し、ガッツさんはノックアウト勝ちしたという話だ。
 
 いまや、日本からドイツへ良い選手がどんどん移籍して、流れていくようになった。これはサッカー先進国であるドイツが日本を認めている証拠でもあるだろう。同時に、良い選手がドイツのチームに行ってしまうのだから、日本のチームがそう簡単には勝てないであろう。
 
 ただ以前に比べれば、実力差は縮まったと思う。Jリーグのサッカーはもちろん、代表チームも進化している。川崎フロンターレのサッカーも同じだろう。よりコレクティブな戦いをするようになり、戦術的にもより高度になり、そのなかでスピーディーかつテクニカルなサッカーをしている。
 
 ただサッカーはショーではない。争い闘うスポーツでもある。簡単に負けてはいけないのだ。それが冒頭で、友人が感じていた日本サッカー界への不安なのだと思う。今、逃げないで闘っているか?
 
「あなた、喧嘩なら誰にも負けない」
 ボクシングを誰よりも愛し、熟知している人が言った言葉。自分自身にも問いかけながら闘い続けていきたい。
 
2015年7月13日
三浦泰年
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