組み合わせの変化にもスムーズにアジャスト
ただ、基本的な判断の原理原則はチームの共通事項だが、選手の特長、何がストロングなのかで周りの動き方に多少の違いが出てくる。例えば2シャドーに大津祐樹と山田が入るのか、夏に加入した金子翔太が入るのか、あるいは大森が入るのか。
そうした組織と個人のバランスの良さでは、ジュビロがJ2の中で卓越している。シャドーの主力に定着している山田は、大森、金子、大津の誰と組むかで、自身の動きにも多少の違いが出てくることを認める。
「(大森)晃太郎のところは低いポジションを取ってくれるので、どっちかというと僕がちょっと前目になるというのと、(金子)翔太に関しては動いてくれるので、先に動き出してくれることで空いたところをしっかり自分が突いていく。(大津)祐樹と組んでいる時は先に動くことのほうが多いんですけど、どっちかと言えば相棒を見て後から動く」
そうしたポジションごとの組み合わせは、パズルのように一人ひとりが形を全く変えることなくハマるわけではない。そこを山田だけでなく、試合に出る選手が少しずつ合わせて埋めていくことで、チームのパフォーマンスを安定させながら、組み合わせによる違いも生かして得点すること、失点しないことに応用していけるのが、ジュビロの強みになっていた。
その中で1つの試練となったのが、開幕2連敗をその後の勝利で挽回し、良い流れになってきたところでの遠藤保仁の離脱だった。第5節のレノファ山口FC戦で途中交代した遠藤は、次のファジアーノ岡山戦から第12節の愛媛FC戦まで7試合の欠場となった。
しかし、この期間に5勝1分1敗という成績を残したのだ。13得点を記録した攻撃では、遠藤がいない分、シンプルにサイドを使いながらルキアンに合わせる狙いがよく表われていた。ディフェンスリーダーの大井は当時を振り返る。
「ヤットさんがいる時は頼りになりますし、まずヤットさんにボールを預けてからというサッカーもいいと思うけど、いざいないとなったら、みんながみんなしっかり考えを実行に移して、できないこととかはみんなで補い合いながらできたことが非常に良かった」
そうした組織と個人のバランスの良さでは、ジュビロがJ2の中で卓越している。シャドーの主力に定着している山田は、大森、金子、大津の誰と組むかで、自身の動きにも多少の違いが出てくることを認める。
「(大森)晃太郎のところは低いポジションを取ってくれるので、どっちかというと僕がちょっと前目になるというのと、(金子)翔太に関しては動いてくれるので、先に動き出してくれることで空いたところをしっかり自分が突いていく。(大津)祐樹と組んでいる時は先に動くことのほうが多いんですけど、どっちかと言えば相棒を見て後から動く」
そうしたポジションごとの組み合わせは、パズルのように一人ひとりが形を全く変えることなくハマるわけではない。そこを山田だけでなく、試合に出る選手が少しずつ合わせて埋めていくことで、チームのパフォーマンスを安定させながら、組み合わせによる違いも生かして得点すること、失点しないことに応用していけるのが、ジュビロの強みになっていた。
その中で1つの試練となったのが、開幕2連敗をその後の勝利で挽回し、良い流れになってきたところでの遠藤保仁の離脱だった。第5節のレノファ山口FC戦で途中交代した遠藤は、次のファジアーノ岡山戦から第12節の愛媛FC戦まで7試合の欠場となった。
しかし、この期間に5勝1分1敗という成績を残したのだ。13得点を記録した攻撃では、遠藤がいない分、シンプルにサイドを使いながらルキアンに合わせる狙いがよく表われていた。ディフェンスリーダーの大井は当時を振り返る。
「ヤットさんがいる時は頼りになりますし、まずヤットさんにボールを預けてからというサッカーもいいと思うけど、いざいないとなったら、みんながみんなしっかり考えを実行に移して、できないこととかはみんなで補い合いながらできたことが非常に良かった」
遠藤が欠場した時期は1つ象徴的だった。だが、シーズン中に3バックの右で台頭した森岡陸が怪我で長期離脱したり、伊藤洋輝がドイツのシュツットガルトに移籍という大きなものから、累積警告による出場停止、過密日程時のメンバー入れ替えに至るまで、組み合わせの変化に対して、大きな混乱も無くアジャストしていけたことは、ジュビロの強みになってきている。
「今シーズンの初めに手応えを掴めた」と振り返る遠藤は昨シーズンに加入した当時、チームのことはよく知らないなかで、鈴木監督の信頼に応えて、自身の特長を押し出していたように思う。しかし、チームの選手やスタッフのことを理解してからは、合わせるべきところを合わせながら、局面に応じたスペシャルな攻撃センスを発揮するスタンスだった。
来シーズンはどこが補強されていくか分からないが、現状に満足せずベースの強度と質を上げていくこと、その中でジュビロの強みであるゲームコントロールをうまく発揮できるチームにできれば、J1でも躍進できる可能性を秘めたチームになるはずだ。
取材・文●河治良幸
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来シーズンはどこが補強されていくか分からないが、現状に満足せずベースの強度と質を上げていくこと、その中でジュビロの強みであるゲームコントロールをうまく発揮できるチームにできれば、J1でも躍進できる可能性を秘めたチームになるはずだ。
取材・文●河治良幸
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