全国制覇を達成したものの、昨年度決勝で感じた悔しさ
後半11分、山梨学院はカウンターを仕掛けると、左サイドでボールを受けた茂木が鋭い縦突破で抜け出して右足を一閃。弾丸ライナーで枠を捉えたシュートは、日本航空のGK小川颯馬に弾かれるが、あまりの威力に大きく外に弾き切れず、ゴール前にふわりと上がったボールをMF長島大翔がヘッドで押し込んで、待望の追加点をもたらした。
このゴールで勝負は決した。流れを取り戻した山梨学院は後半20分に左FKをCB柴田元が頭で決めて3点目。茂木は同25分にお役御免となった。
「今年は積極的に仕掛けて、ゴールが見えたらシュートを打つことを意識しています。(前回)決勝の青森山田戦で終了間際に折り返しを受けたシーンがあったのですが、あの瞬間にゴールが見えていたのに一瞬迷ってしまい、時間がかかって結局シュートが打てなかった。あの悔しさがずっとあって、今年は一から自分を見直すことを意識しました」
試合後、こう振り返ったようにPK戦の末に優勝こそ手には出来たが、自分の力で勝負を決することができたチャンスはあった。あの悔しさから10か月。夏にはポルトガルに渡って1か月余り武者修行を積んだ。
「ポルトガルで日本との差を凄く感じました。ポルトガルの選手は自己主張が凄くて、個性を前面に出しながら、かつ技術レベルが高い。僕はフィジカルやスピードなどの個があると思っていましたが、向こうでは当たり前のレベルでしたし、何より自分は技術が足りないと思いました。帰国してからもいろいろ考えましたし、その中で進路も関東1部の強豪大学に決めて、4年間みっちりと技術を磨いてからプロや世界を目指そうと思ったんです」
このゴールで勝負は決した。流れを取り戻した山梨学院は後半20分に左FKをCB柴田元が頭で決めて3点目。茂木は同25分にお役御免となった。
「今年は積極的に仕掛けて、ゴールが見えたらシュートを打つことを意識しています。(前回)決勝の青森山田戦で終了間際に折り返しを受けたシーンがあったのですが、あの瞬間にゴールが見えていたのに一瞬迷ってしまい、時間がかかって結局シュートが打てなかった。あの悔しさがずっとあって、今年は一から自分を見直すことを意識しました」
試合後、こう振り返ったようにPK戦の末に優勝こそ手には出来たが、自分の力で勝負を決することができたチャンスはあった。あの悔しさから10か月。夏にはポルトガルに渡って1か月余り武者修行を積んだ。
「ポルトガルで日本との差を凄く感じました。ポルトガルの選手は自己主張が凄くて、個性を前面に出しながら、かつ技術レベルが高い。僕はフィジカルやスピードなどの個があると思っていましたが、向こうでは当たり前のレベルでしたし、何より自分は技術が足りないと思いました。帰国してからもいろいろ考えましたし、その中で進路も関東1部の強豪大学に決めて、4年間みっちりと技術を磨いてからプロや世界を目指そうと思ったんです」
自分のリアルな現在地を把握し、何が必要かを整理することができた。そのひとつが『ゴールが見えたら打つ』という積極的な姿勢だった。
「ただ無闇やたらに打つのではなく、パスの受け方、ファーストタッチ、ボールの運び方などをもっと磨いて、より精度の高いシュートを打てるようになりたい」と語る彼の目はいきいきとしていた。
2年連続出場に向けて、決勝の相手は伝統校の韮崎。彼らもまた、100回大会で13年ぶり35回目の選手権出場に燃えているが、茂木は伝統の意地の前に何ができるか、すでに自分に問いかけている。
「今年の1年間はいろんな視点から自分とサッカーを見ることができたので、すごく成長できたと思います。だからこそ、それを証明する場として決勝と、その先にある100回大会に向けて僕が点を取って、誰よりも活躍する100回大会にしたいです」
昨年度の経験を糧にエースの矜恃を示せるか。茂木は自分自身に期待をかけ、11月6日の決勝の時を待つ。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
「ただ無闇やたらに打つのではなく、パスの受け方、ファーストタッチ、ボールの運び方などをもっと磨いて、より精度の高いシュートを打てるようになりたい」と語る彼の目はいきいきとしていた。
2年連続出場に向けて、決勝の相手は伝統校の韮崎。彼らもまた、100回大会で13年ぶり35回目の選手権出場に燃えているが、茂木は伝統の意地の前に何ができるか、すでに自分に問いかけている。
「今年の1年間はいろんな視点から自分とサッカーを見ることができたので、すごく成長できたと思います。だからこそ、それを証明する場として決勝と、その先にある100回大会に向けて僕が点を取って、誰よりも活躍する100回大会にしたいです」
昨年度の経験を糧にエースの矜恃を示せるか。茂木は自分自身に期待をかけ、11月6日の決勝の時を待つ。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)