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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第7回】すべてが想像を超えたアヤックスの練習。日本との大きな違いは「リスクの取り方」

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェスト編集部

2021年10月28日

アヤックスのパス回しは…

アヤックスのタディッチ(写真左)と喜熨斗コーチ(写真右)。

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 最初に訪問したのはアヤックスなのですが……、ひと言で言えばすべてが私の想像を超えていました。練習施設、練習内容、選手の質(余談ですがPSVとの一戦はスタジアムで観戦しましたが、その雰囲気も!)。練習時間やトレーニングの流れは日本と大きく変わりはないのですが、大きな違いを感じたのが冒頭でも述べた「リスクの取り方」です。
 
 例えばパス回し。Jリーグの試合も私は観るようにしていますが、Jリーグは良いポジションを取って、なるべく相手から距離が遠いところで受けるシーンが多いです。そうなれば少々パスがズレていても受けられるし、ボールコントロールもできる。良い言い方をすれば「受け手に優しいパス」、違った見方をすれば「相手に恐くないパス」。結果的に相手守備陣はブロックを作って、その後は歩いているシーンが目立っているように映ります。
 
 アヤックスは逆でした。攻撃選手はDFの近い位置でパスを受けようとするし、狭いスペースでポジション取りをします。ボールを回すテンポも速い。狭いスペースにパスを入れる、そして素速くパスを回すというのは、それだけ高い技術と判断力が求められますが、それを練習開始0秒から最後の1秒まで貫いていました。
 
 そしてコーチングスタッフはトレーニングゲーム中にも映像分析を入れて、すぐさま可視化したフィードバック。その後ゲームに戻るという感じで、細かくリスクを取る練習をしていました。

 近年は5レーンとか6ゾーンとか言われています。当然、それは彼らの頭の中には入っていて的確に動けます。プラス、そこに技術が加わり、自分のなかでできる最大限のリスクを突く。こうした意識付けは日本サッカー界にも、もちろん我々セルビアサッカー界にもしっかり落とし込んでいかないといけないポイントだと感じました。またアヤックスのスカウトとも話をさせてもらいましたが、彼らが選手を選ぶ基準は「欧州チャンピオンズリーグで活躍できるか否か」。すべてにおいて求めているレベルが高い。
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