対戦相手を正しく評価し、その最大限の力に対して策を練る
ACL準々決勝
浦項スティーラーズ(韓国)×名古屋グランパス(日本)
10月17日(日)/14:00/全州ワールドカップスタジアム
すでに2度の対戦経験があるのは、ACLという大会の特性を思えばアドバンテージにもなるだろうが、逆に先入観とならないような準備が必要な対戦だ。
名古屋も浦項も何か奇策を弄するタイプのチームではなく、標榜するスタイルを太く分厚く発揮していく傾向を持つが、それゆえに変化をつければ相手に与えるインパクトも大きい。対戦相手を正しく評価し、その最大限の力に対して策を練るのが名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督だが、さて今季3度目の浦項戦にどのような試合展開を望むか、楽しみだ。
タイで行なわれたグループステージでの対戦成績は1勝1分で、第2節で3-0と圧勝した後に最終節で1-1と引き分けている。初戦は名古屋が今季使っている4-3-3の布陣が一つの型を成した試合として記憶されるところで、当時は左ウイングの齋藤学、インサイドハーフの長澤和輝、そして左サイドバックの吉田豊が美しいハーモニーを奏でてサイドを制圧した。
その起点を足掛かりとして柿谷曜一朗の豪快ミドル、マテウスのPK、そして速攻からのマテウスのフィニッシュと攻勢を維持。厳しく人にアタックしてくる相手の守備を連動性あふれる攻撃で翻弄し、リードを奪ってからは典型的な堅守速攻の形で試合を常に優位に運んだ。
その12日後に行なわれた2度目の対戦では、グループ内の順位における力関係の差から名古屋がやや受けに回るなか、後半の頭と終わりにそれぞれが1得点ずつを挙げての引き分けとなった。
この時の残像で言えば、良いイメージを持っているのは浦項かもしれないが、シチュエーション的には考慮すべき点が多く、また双方にメンバー構成にも変化があって参考程度というのが実情だろう。
浦項スティーラーズ(韓国)×名古屋グランパス(日本)
10月17日(日)/14:00/全州ワールドカップスタジアム
すでに2度の対戦経験があるのは、ACLという大会の特性を思えばアドバンテージにもなるだろうが、逆に先入観とならないような準備が必要な対戦だ。
名古屋も浦項も何か奇策を弄するタイプのチームではなく、標榜するスタイルを太く分厚く発揮していく傾向を持つが、それゆえに変化をつければ相手に与えるインパクトも大きい。対戦相手を正しく評価し、その最大限の力に対して策を練るのが名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督だが、さて今季3度目の浦項戦にどのような試合展開を望むか、楽しみだ。
タイで行なわれたグループステージでの対戦成績は1勝1分で、第2節で3-0と圧勝した後に最終節で1-1と引き分けている。初戦は名古屋が今季使っている4-3-3の布陣が一つの型を成した試合として記憶されるところで、当時は左ウイングの齋藤学、インサイドハーフの長澤和輝、そして左サイドバックの吉田豊が美しいハーモニーを奏でてサイドを制圧した。
その起点を足掛かりとして柿谷曜一朗の豪快ミドル、マテウスのPK、そして速攻からのマテウスのフィニッシュと攻勢を維持。厳しく人にアタックしてくる相手の守備を連動性あふれる攻撃で翻弄し、リードを奪ってからは典型的な堅守速攻の形で試合を常に優位に運んだ。
その12日後に行なわれた2度目の対戦では、グループ内の順位における力関係の差から名古屋がやや受けに回るなか、後半の頭と終わりにそれぞれが1得点ずつを挙げての引き分けとなった。
この時の残像で言えば、良いイメージを持っているのは浦項かもしれないが、シチュエーション的には考慮すべき点が多く、また双方にメンバー構成にも変化があって参考程度というのが実情だろう。
そしてまさにその“変化”が、この準々決勝における面白みの第一であり、勝敗を分けるキーファクターにもなってくる。浦項はグループステージ初戦で負傷した右サイドハーフのパラシオスが復帰しており、重戦車のような突破力と存在感は名古屋にとっては注意すべき人物の一人。
またラウンド16のセレッソ大阪戦では、左サイドバックからサイドハーフを兼任していたカン・サンウがスタートから左サイドハーフを務め、タイでの対戦時よりもサイドアタックに厄介さが増している印象がある。
タイでの浦項は縦に強いがフレキシビリティはそこまでなかったが、2列目サイドの変化がその攻撃にバリエーションをもたらしていることは見逃せない。前線には長身の選手も多く、ボランチのシン・ジホはパワフルながらパス能力もキック精度も高く、昨季のアジア制覇を知るひとりだ(当時は蔚山現代所属)。
ベスト8という勝負所においては、優勝を知る選手がピッチ中央でチームの舵取りをすることの心強さたるやいかばかりか。グループステージでの成績や力関係は、いらぬ慢心を呼びそうなだけに忘れたほうがいいかもしれない。
またラウンド16のセレッソ大阪戦では、左サイドバックからサイドハーフを兼任していたカン・サンウがスタートから左サイドハーフを務め、タイでの対戦時よりもサイドアタックに厄介さが増している印象がある。
タイでの浦項は縦に強いがフレキシビリティはそこまでなかったが、2列目サイドの変化がその攻撃にバリエーションをもたらしていることは見逃せない。前線には長身の選手も多く、ボランチのシン・ジホはパワフルながらパス能力もキック精度も高く、昨季のアジア制覇を知るひとりだ(当時は蔚山現代所属)。
ベスト8という勝負所においては、優勝を知る選手がピッチ中央でチームの舵取りをすることの心強さたるやいかばかりか。グループステージでの成績や力関係は、いらぬ慢心を呼びそうなだけに忘れたほうがいいかもしれない。