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たった1試合で“特等席”を与えられた久保建英。マジョルカ番記者が評価した2つのポイントは?【現地発】

カテゴリ:海外日本人

エレナ・ガルシア

2021年08月25日

攻撃のタクトを振るう役割をタケに託した

復帰2戦目でスタメンの座を勝ち取り、88分までプレーした久保。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 ルイス・ガルシア・プラサ監督にとっては1試合で十分だった。前節のベティス戦で後半から途中出場したタケ・クボ(久保建英)は、ラ・リーガ第2節のアラベス戦で早くもスタメンに名を連ねた。試合は、80分のフェル・ニーニョのゴールでマジョルカに軍配が上がった。

 タケはラーゴ・ジュニオルと交代でピッチを退くまで88分間プレー。マジョルカが逃げ切りを図っていた時間帯で、指揮官の判断は時間稼ぎ的な意味合いもあった。

 スタメン出場とともに特筆に値するのはそのポジションだ。ルイス・ガルシア監督はトップ下に配置し、攻撃のタクトを振るう役割をタケに託した。チームには他にもこのポジションでのプレーを得意とする選手がいる中で、入団間もないニューフェイスにその“特等席”を与えたことは、期待の裏返しに他ならない。

 ビセンテ・モレーノ(現エスパニョール監督)の下でプレーした2シーズン前は、サイドがメインポジションだったことを踏まえても、タケのチーム内での序列が高くなった表われといえる。

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 タケはその期待に応えようと奮闘した。目を引いたのが、相手が前かがりに攻め込むところを逃さずに、中央、外側を問わず敵の2ボランチの裏のスペースに走り込んでパスを引き出すプレーだ。そしてそこから素早いターンや巧みなボールコントロールを駆使して、果敢な仕掛けでゴールに迫った。

 惜しむらくは、相手に脅威を与えてもその多くは単発的に終わり、なかなかフィニッシュまで持ち込むことができなかったこと。周囲がタケに期待を寄せるラストパスを繰り出す場面も限られた。もっとも、2戦目にして周りと息の合ったプレーを見せていたこと、守備面でも高い献身性を示していたことの2点は評価に値する。

 最も惜しかったシーンは前半終了間際のプレーだろう。セットプレーのチャンスでタケがふわりとしたインスイングのクロスを送ると、ジョルディ・ムブラがヘディングで合わせるも、シュートは枠を捉えることができなかった。この45分間、マジョルカがいい形で攻め込んだ場面のほとんどはタケを経由していたと言っても過言ではなかった。

後半に入ると、交代で投入された選手との兼ね合いもあり、右サイド寄りでプレーする場面が多くなり、自ずとボールに絡む機会も減少した。しかしそれでもピッチを後にするまで運動量を落とさずに攻守に奔走し続けた。

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