日本女子は７月27日、東京五輪のグループステージ第３戦で、チリ女子と対戦。立ち上がりから押し込み、17分には杉田妃和が決定機を迎えるが、相手守護神クリスティアンヌ・エンドレルのビッグセーブに阻まれ、モノにすることができない。

　逆に68分には右サイドからのクロスをフランシスカ・ララにヘッドで合わせられると、クロスバーを直撃。真下に落ちたボールはゴールラインを割っているか、際どい場面だったが、ここはノーゴールとなり、なんとか事なきを得た。

　迎えた77分、日本はついに均衡を破る。ペナルティエリア内で縦パスを受けた岩渕真奈が相手を背負いながらも、右足のアウトサイドでゴール前へパス。最後は田中美南が右足で押し込み、ネットを揺らした。

　このゴールが決勝点となり、日本は１-０でチリを撃破。勝点を４に積み上げ、苦しみながらも何とかグループステージ突破を決めた。

　一方で、チリは３戦全敗で日本を離れることに。現地メディア『alairelibre』は「オリンピックの夢は終わった。ラ・ロハ（チリ代表の愛称、スペイン語で赤の意味）女子は日本に敗れ、東京2020に別れを告げた」と見出しを打ち、悲報を伝えている。
 

「ラ・ロハはできる限りのことをしたが、グループステージの締めくくりの日本戦で、最少スコアで負けてしまい、勝利を知らないまま東京2020に別れを告げた。突破には、勝利が必要だった。しかし、自国開催での失望を避けるために勝利を目指すという同じ状況にあった、経験豊富な相手に苦戦したのだ。

　アジア勢はボールを保持し、ラ・ロハを圧倒した。それでも前半は、キャプテンであり、世界最高のGKであるクリスティアンヌ・エンドレルの素晴らしいパフォーマンスにより、クリーンシートを維持した。だが、そのバランスが後半になって歪んできた。

　そんななか68分には、フランシスカ・ララが物議をかもすプレーの中心となった。クロスに頭で合わせ、ボールはゴールの中に行ったが、記録されなかったのである。しかし、映像ではバウンドしたボールは、完全にゴールの中に入っているように見え、ゴールの正当性についての疑問は永遠に解決しなかった。

　この状況に困惑したレッズは集中力を失い、数分後にはミナ・タナカのシュートでゴールを許してしまった。結局、奇跡を見つけなければならないという緊迫した状況にもかかわらず、チリはホスト国から試合終了まで主導権を奪うことができなかった」

　初の五輪は悔しい結果に終わったチリ女子代表。ただ、同メディアは「女子サッカーチームとして初めて国を代表してオリンピックに出場するという歴史を作ったのだから、敗北を超えて、誇りを持ってリタイアできる」と、リスペクトの意を示すことも忘れなかった。

　なでしこジャパンは敗れた者の想いも背負い、熱いプレーで報いることができるか。30日の準々決勝ではグループステージ全勝で勝ち上がった難敵スウェーデンと相まみえる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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