英国政府・運営会社に対応を要求
だれもが危惧したことが、やはり起きてしまった。
現地時間7月11日のEURO2020決勝で、イングランド代表はPK戦の末にイタリア代表に敗れた。1966年のワールドカップ優勝以来となる主要大会での栄冠に、あと一歩及ばなかったかたちだ。
開始早々に先制したイングランドだが、後半に追いつかれ、90分での勝利を逃した。PK戦でも2人目を終えて2-1とリードしながら、3人目のマーカス・ラッシュフォード、4人目のジェイドン・サンチョ、5人目のブカヨ・サカが立て続けに失敗し、涙をのむことになった。
PK戦を見据えた投入だったとはいえ、ラッシュフォードとサンチョがピッチに立ったのは120分だった。そして、重圧のかかる最後のキッカーを務めたのは、弱冠19歳のサカだった。ガレス・サウスゲイト監督の采配を疑問視する声もあり、指揮官も自らの責任と話している。
それでも、PKを失敗した選手は批判されてしまうものだ。それは避けられないことかもしれない。だが、一部の愚か者は、誹謗中傷や差別という許されない行為に及ぶ。
例えば、英紙『Daily Mail』は、サカのSNSで猿の絵文字や「国から出ていけ」「ナイジェリアに帰れ」といった言葉の暴力がみられると報じた。
現地時間7月11日のEURO2020決勝で、イングランド代表はPK戦の末にイタリア代表に敗れた。1966年のワールドカップ優勝以来となる主要大会での栄冠に、あと一歩及ばなかったかたちだ。
開始早々に先制したイングランドだが、後半に追いつかれ、90分での勝利を逃した。PK戦でも2人目を終えて2-1とリードしながら、3人目のマーカス・ラッシュフォード、4人目のジェイドン・サンチョ、5人目のブカヨ・サカが立て続けに失敗し、涙をのむことになった。
PK戦を見据えた投入だったとはいえ、ラッシュフォードとサンチョがピッチに立ったのは120分だった。そして、重圧のかかる最後のキッカーを務めたのは、弱冠19歳のサカだった。ガレス・サウスゲイト監督の采配を疑問視する声もあり、指揮官も自らの責任と話している。
それでも、PKを失敗した選手は批判されてしまうものだ。それは避けられないことかもしれない。だが、一部の愚か者は、誹謗中傷や差別という許されない行為に及ぶ。
例えば、英紙『Daily Mail』は、サカのSNSで猿の絵文字や「国から出ていけ」「ナイジェリアに帰れ」といった言葉の暴力がみられると報じた。
ラッシュフォード、サンチョ、サカという確かな才能を持った若き3選手が、イングランドのこれからを担っていくのは間違いない。そのタレントたちに対する愚行に、イングランドサッカー協会(FA)は怒りをあらわにした。
FAは公式声明で「あらゆる差別を非難」「SNS上での一部選手に対するオンライン人種差別にあ然としている」と発表した。
「チームを応援するのにそういった不快な行為を歓迎しないことを、われわれはこれ以上ないほど明確にしている。選手たちを支えるために全力を尽くし、責任者に可能な限りの処罰を求める」
さらに、FAは「サッカーから差別を排除するために全力を尽くすが、政府には早急な対応と、現実生活に影響しないように適切な法制化を要請したい」と、国やSNS会社にも対処するよう求めた。
「SNS会社も身を乗り出し、説明責任を負い、悪用者をプラットフォームから排除するように動いて、訴追できるように証拠を集め、プラットフォームがこれらの忌まわしき悪用から解放されるようにサポートしていくことが必要だ」
SNS上の誹謗中傷・人種差別の被害は後を絶たない。これまでもイングランドではこの問題が取り上げられている。そしてそれはイングランド、サッカー界に限ったことではない。
サッカーファンは、計り知れない心の痛みを抱える選手たち支えたいと、そしてより良い世界の実現に社会が前進できることを願っている。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
FAは公式声明で「あらゆる差別を非難」「SNS上での一部選手に対するオンライン人種差別にあ然としている」と発表した。
「チームを応援するのにそういった不快な行為を歓迎しないことを、われわれはこれ以上ないほど明確にしている。選手たちを支えるために全力を尽くし、責任者に可能な限りの処罰を求める」
さらに、FAは「サッカーから差別を排除するために全力を尽くすが、政府には早急な対応と、現実生活に影響しないように適切な法制化を要請したい」と、国やSNS会社にも対処するよう求めた。
「SNS会社も身を乗り出し、説明責任を負い、悪用者をプラットフォームから排除するように動いて、訴追できるように証拠を集め、プラットフォームがこれらの忌まわしき悪用から解放されるようにサポートしていくことが必要だ」
SNS上の誹謗中傷・人種差別の被害は後を絶たない。これまでもイングランドではこの問題が取り上げられている。そしてそれはイングランド、サッカー界に限ったことではない。
サッカーファンは、計り知れない心の痛みを抱える選手たち支えたいと、そしてより良い世界の実現に社会が前進できることを願っている。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部