【名古屋】タイでの吉報、直前に見た夢…五輪メンバー入りを果たした相馬勇紀の“8年分の想い”

カテゴリ:日本代表

本田健介(サッカーダイジェスト)

2021年06月22日

得られたものは「主に2つ」

五輪メンバー入りを果たした相馬(写真右)。本大会でのメダル獲得を目指す。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 タイで吉報を訊いた。

 6月22日、ACLのグループステージが開催されるタイで東京五輪のメンバー入りを喜んだのは名古屋のアタッカー・相馬勇紀である。「MF、背番号16」で無事に18人のメンバーリストに入った。

「ラインの通知が今もビューと来ているんですよ」

 安堵の笑顔とともに、はにかんでみせる。リモートで行なわれたメンバー発表後の取材。自身の画面上には祝福のメッセージが続々と届いていたのだという。

 森保一監督が18人のリストを読みあげてから、時間はそこまで経っていない。報告をできた人は限られたが、やはり最初に感謝の想いを伝えたのは両親だった。

「まず家族に報告しました。素直に喜んでくれました。ずっと支えてきてもらい、僕は一人っ子でもあったので、ひとつ親孝行ができたかなと思いますね。でも選ばれて終わりじゃなく、次はどれだけ活躍できるかが大事。そこに切り替えてやっていきたいです」

 吉報は、正夢でもあったのだという。

 緊張もあったのだろう。ここ2日間は夢にメンバー発表の場面が出てきて、「一昨日が落ちて、昨日が受かってました」と振り返る。

 
 五輪への想いは人一倍だ。

「2013年の9月に、東京オリンピック開催が決まってから、ずっと目指してきた場所でありました。当時、高校の自分は代表に選ばれることはなく遠い存在でしたが、『最後のメンバー発表で選ばれるんだ』との気持ちを持って8年間過ごしてきました。その想いが実りました。これまで素晴らしい方々に出会えて、友だちや仲間、家族に支えられて過ごすことができました。本当に感謝したいです」

 三菱養和でドリブルを磨いてきたアタッカーは、早稲田大で選手、そして人間としての幅も広げる。2018年に特別指定選手としてプロデビューした名古屋では、主にサイドハーフを務めながら、SBなどでもプレー。

 信条は常に前へ仕掛けることであり、「チームのためにどれだけ戦えるか。チームのために点を取る。チームのためにアシストをする。チームのために走って、ボールを奪って、目の前の敵に負けない。そういうところをやっていきたいです」と、五輪本番へ想いを強める。

 では五輪を見据え、この8年間で身に付けてきたことはなんなのか。その質問には少し考えながら、こう答える。

「主に2つだと思っています。まず人間性の部分が上がったところは、大学の4年間で形成されたと思っています。人としてどうあるべきか、人として一番であれ、そういう部分が僕らの早稲田大のモットーのようなものでありました。最後の4年の時は、日本をリードする立場になるという目標を自分たちで立て、そういった面で人間力が大学の4年間で成長できたところだと思います。

 プレーのところでは、個人として、目の前の相手に負けないところ。サッカーの根本の部分というか、ボールを奪う、相手を抜くという部分。そこを追求し続けた結果が今の自分を作っていると思います」

 熱く、気持ちを全面に押し出して戦える選手である。これまでの経験、想いをすべて抱え、本番でもチームに火をつけてくれるはずだ。

 そして人懐っこい笑顔をグラウンドでぜひとも見せてもらいたい。目標を常に設定し、挑戦し続けてきた男だからこそ、その努力が大舞台で花開く瞬間を切に願いたいのだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


 
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