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注目すべき34分のシーン。頼れるOA組は、機を見て攻撃にアクセントや迫力を加え、チームを活性化

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2021年06月07日

堂安、久保、田中が絡むチャンスメイクをサポートした酒井

高い位置で回収して二次攻撃につなげることでガーナを追い込む。そこでも酒井は目立っていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[国際親善試合]U-24日本 6-0 U-24ガーナ/6月5日/ベスト電器スタジアム

 ガーナの強度が想定より高くなかったことを差し引いても、やはりオーバーエイジの存在感は頼もしい限りだった。3人が選ばれるまではオフェンシブなポジションの候補も挙がっていたが、良い意味でどっしりとした安定感を見ると、バックラインに吉田麻也と酒井宏樹の二人、さらにボランチに“デュエル王”こと遠藤航を選択した効果は大きい。

 戦術的な話に行く前に、この試合でチームが最も注意したのは試合の入りだった。2日前のA代表との試合で開始2分にセットプレーから失点。その時点でペースをA代表に持っていかれてしまった。

 前日は札幌からの移動トラブルで足止めとなったが、その場で横内昭展監督が待合室のテレビを使った緊急ミーティングを行ない、本番の初戦で、ああいう時間帯に失点してはいけないと強調していたが、そういうところでも経験豊富な選手たちがいるのは大きい。

「1点目みたいな失点をすると大会自体が終わってしまう。うまくゲームに入る、勢いに飲まれないために精神的にコントロールする必要がある。意識して入りを大事にしていきたい」

 オーバーエイジの一人である吉田はガーナ戦を前に語った。ただ、突然決まったA代表との試合からのガーナ戦、さらに移動トラブルで、全体練習は一度もしていないという状況で、オーバーエイジとのプレーはぶっつけ本番に近い状況だった。

 キックオフして最初はガーナが勢いよく来ようとしたが、U-24日本代表は一度攻撃を止めると、1分ぐらい後ろでつないで、そこから吉田の最初のフィードが前線の上田綺世に出たのは1分13秒ほどだった。

 最初のビッグチャンスは4分、左CBの冨安健洋から久保建英を裏に走らせるボールが出ると、一度はガーナのディフェンスに拾われるも、すぐに久保、上田と鋭いプレッシャーをかけてボランチの田中碧が奪い返し、パスを受けた相馬勇紀がシュートに持ち込もうとするも、ディフェンスに引っ掛けられた。

 しかし、そこから日本は相馬が即時奪回のハイプレスをかけると、後ろにこぼれたボールを中盤で遠藤が拾い、田中を酒井が右から追い越して危険な位置でクロスに行きかけるなど、完全な日本ペースに持ち込むかに見えた。

 ただ、その流れで酒井が「1回抜かれたので、1回も抜かれないように、そういう完璧を求められる立場だと思うので、そういう意味ではまだまだ完璧を追求していかないといけない」と振り返るシーンが起きた。

 酒井を破って左サイドでスピードに乗るブカリを止めたのはボランチの遠藤だった。遠藤に回り込まれたブカリはインサイドに活路を見出そうとするが、そこに待ち構えた田中がカットした。
 
 そこから攻撃を続ける日本はガーナ側にボールを奪われても、すぐに高い位置で回収して二次攻撃につなげることでガーナを追い込んだ。そこでも目立っていたのは酒井で、少し前に突破されたシーンを引きずることなく前目のポジションで堂安律、久保、田中が絡むチャンスメイクをサポートし、味方がボールを失った瞬間にプレッシャーをかけた。

 さらに日本が前向きに高い位置を取るためのベースを作っていたのが遠藤であり、日本がボールを持っている時の田中はボランチより、所属の川崎フロンターレと同じインサイドハーフと言えるようなポジションで2列目の堂安と久保と近い距離のパスで絡んだ。

 酒井によると試合前から左の中山雄太とは「なるべくSBがサイドハーフを下げないように」と話し合っていたという。中山も大外の後方に構えるだけでなく、左サイドハーフの相馬が大外に開けばインサイドの前目に移動したり、常に斜め後ろにポジションを取るようにしていた。

 U-24世代のリーダー格である中山はA代表でもあり、冨安とともに、オーバーエイジに次ぐ経験を持っている一人だが、目立たないながら優れたバランスワークを発揮していた。

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