海外サッカーマニアとして知られる元Ｊリーガーの林陵平氏が、中小クラブで台頭する逸材たちを分析し、メガクラブに「推薦状」としてプレゼンテーションする『ワールドサッカーダイジェスト』誌の連載。レスターの新星ウェスレイ・フォファナの獲得をオススメしたいクラブとは？

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　昨夏にサンテティエンヌから渡ったレスターで、予想以上の大活躍を見せるセンターバック。前半戦は負傷離脱した４バックの中央でチャーラルの穴を見事に埋め、後半戦はチャーラル、エバンスと３バックを組む試合もあります。

　守備は非常に安定しています。傑出した機動力を持ち、粘り強いアグレッシブな１対１、オープンスペースでのタックル、190センチの長身を活かした空中戦とどれもハイレベル。さらに入団１年目のレスターで堂々と周囲にコーチングをするなど、パーソナリティーも強いですね。

　また、攻撃面の貢献度も見逃せません。ボールコントロールはかなりのレベルで、持ち上がりで数的有利を作り出し、対角のロングフィードでも局面を打開できます。
 

　総合的に見ると、好守で貢献度が高い「モダンなセンターバック」という印象。チャンピオンズ・リーグ出場圏内をキープするレスターの躍進に大きく貢献し、今シーズンに限ればプレミアリーグでも屈指のディフェンダーだと思います。

　だからすでにＡ代表入りしていても不思議はないですが、フランスではまだＵ―21代表止まり。本当に層が厚いですよね、レ・ブルーのセンターバックは。ちょっと信じられないです（笑）。

　機動力とボールスキルを兼備するセンターバックは、ハイラインを敷く攻撃的なチームに打って付けです。例えば、今夏はセンターバック補強を画策しているリバプール。ＯＢのハーグリーブスが獲得を推薦していたマンチェスター・ユナイテッドも、戦術的には合うと思います。それぞれファン・ダイク、マグワイアの頼れるパートナーになれるはずです。

　取材・文●白鳥大知（ワールドサッカーダイジェスト編集部）
※ワールドサッカーダイジェスト４月15日号より転載。

【プロフィール】
林陵平／186cm・80kgの大型ストライカーとして鳴らした元Ｊリーガー。ヴェルディ・アカデミーと明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約し、翌年から柏、山形、水戸、ヴェルディ、町田、群馬を渡り歩き、2020年シーズンをもって現役引退した。Ｊリーグ通算成績は300試合・67得点。自他ともに認める「欧州サッカーマニア」で、海外選手のゴールセレブレーションを取り入れて話題にもなった。現在は『DAZN』のハイライト動画を全て確認し、フル視聴も最低１日１試合が日課だ。ツイッター（@Ryohei_h11）では海外ネタを日々つぶやき中。21年１月には、自身初の著書『Ｊリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます』（飛鳥新社）を出版し、東京大学ア式蹴球部の新監督にも就任した。1986年９月８日生まれ、東京都出身。