神戸がエキサイティングな点の取り合いを制す。FC東京は今季初黒星

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年03月10日

終盤85分に決勝ゴールを決めたのは…

神戸がFC東京との激戦を制す。山口(中央右)のゲームメイクは光った。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ3節]FC東京2-3神戸/3月10日/味の素スタジアム

 ホームのFC東京は森重をアンカーに置く4-3-3システムで、アウェーの神戸が古橋とドウグラスで2トップを組む4-4-2システムで臨んだ一戦は、前半5分に神戸がドウグラスのゴールで先制する展開となった。

 先制する前にも郷家や古橋がチャンスに絡んだ神戸は敵地でも攻撃的な姿勢を貫くアグレッシブさを見せた。一方、FC東京は立ち上がりからどこか落ち着かない印象でピッチに足を取られる選手も何人かいた。

 試合はどちらかと言えば神戸ペース。セントラルMFのふたり、山口とサンペールの巧みな舵取りからサイドを起点に崩す神戸は、FC東京の堅守に阻まれて早い段階で追加点とはならなかったが、じわりじわりと流れを掴んだのだ。

 もちろん神戸にもミスはあり、FC東京に何度か危険な位置からシュートを打たれる場面もあった。それでもゲーム運びは神戸が一枚上手という印象の前半だった。

 神戸が素晴らしかったのは、アンカーの森重を“消す”ようにサイドから攻撃を展開した点。その意味で、山口のゲームメイクはまさに秀逸だったと言える。
 
 後半に入ると、FC東京が盛り返す。縦への素早いフィードでリズムを作ったうえで、アダイウトンやレアンドロ、田川の個人技で神戸のゴールをこじ開けようとした。

 55分には東と田川に代わり、D・オリヴェイラと三田を投入したFC東京はそのD・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンとブラジル人3トップで同点ゴールを狙いにいった。そして64分には右サイドの崩しから最後はアダイウトンがヘッド。これは枠を捉えなかったが、流れはFC東京へと傾き始めていた。

 しかし直後の65分、神戸がカウンターから追加点。ゴール前の混戦でこぼれたボールにいち早く反応したドウグラスがGKを嘲笑うかのような個人技でネットを揺らした。

 ただ、試合はこれで終わらない。ホームで負けられないFC東京は74分にカウンターからD・オリヴェイラがGKとの1対1を制して1点差に詰め寄ると、続く77分には途中出場の永井が同点弾。瞬く間に2-2と追いついた。さらに78分にはD・オリヴェイラが決定機を迎えるなどFC東京は勢いを増していくかに思われたが……。

 迎えた85分、神戸が一瞬の隙を突いて再び突き放す。郷家がペナルティエリアの手前から放ったミドルはポストを叩くが、そのこぼれ球に反応した郷家自身が押し込んだのである。

 エキサイティングな点の取り合いは神戸に軍配。FC東京は公式戦4戦目にして今季初黒星を喫した。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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