チャンピオンズ・リーグ（CL）で優勝５回を誇るクリスチアーノ・ロナウドを擁し、クラブの悲願である25年ぶりの欧州制覇が期待されるイタリアの絶対王者だけに、前後半の立ち上がりの失点は驚きとともに批判を呼んだ。

　２月17日、ユベントスはCLラウンド・オブ・16第１レグでポルトと敵地で対戦し、1-2で敗れた。

　開始１分強、ユーベはロドリゴ・ベンタンクールが自陣ペナルティーエリア内でGKヴォイチェフ・シュチェスニーに向けて軽率なバックパス。これに反応したメフディ・タレミに先制点を許してしまう。

　ビハインドを背負ったままハーフタイムに突入し、巻き返しが期待された後半、ユーベはまたも出だしから躓く。左サイドを突破されると、ムサ・マレガに追加点を献上したのだ。

　データサイト『Opta』によると、開始１分３秒での失点は、ユベントスにとってCLで３番目に早い失点。また、後半開始19秒での失点は、CLにおける“クラブレコード”という。

　終盤にフェデリコ・キエーザがアウェーゴールを奪い、本拠地アリアンツ・スタジアムでの第２レグに希望をつないだユーベだが、イタリア・メディアはらしからぬ失点を批判的に報じている。

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　衛星放送『Sky Sport』は「信じられない守備のミス」、「これ以上最悪のスタートなし」と、ベンタンクールのパスミスを酷評すると、「後半はさらにひどい」と、わずか19秒での追加点献上を批判した。『Gazzetta dello Sport』紙も、試合レポートの見出しで「ブラックアウト」と報道。ベンタンクールのミスを「痛ましいバックパス」と嘆いている。

　もちろん、試合への入り方に問題があったことは、アンドレア・ピルロ監督も認めている。試合後、指揮官はSky Sportで「１分で間違ったアプローチになった。こういう失点後に少し恐れるのは普通のことだ」と話した。

「自信を失ってしまった。それはラウンド・オブ16で決して欠いてはいけないものだ。疲労はある。大変な試合がたくさんあり、つねに同じリズムを保つのは簡単じゃない。だが、決勝トーナメントで、ラウンド・オブ16であってはならないことだ。もっとうまくやれたはずだから残念だよ」

　なお、ユーベは後半途中から起用したアルバロ・モラタが得点を挙げられなかったが、ピルロは「元気じゃなく、試合後も気分を悪くしていた」と明かしている。

「数日前からアルバロは調子が良くなかったんだ。風邪からうまく回復できなかった。試合後には、気を失っていたんだ」

　コロナ禍の影響や過密日程で苦しいやり繰りを強いられているユーベだが、それはどのクラブも同じことだ。３月９日、ホームでの第２レグで、イタリア王者は挽回できるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部