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「それでも勝つのが市立船橋」大会3週間前に校内で集団感染…危機に見舞われた伝統校のプライドと決意

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年12月29日

12月6日のプレミアリーグ関東最終戦以降は活動を自粛

千葉県決勝ではライバル流経大柏を破って全国出場を決めた市立船橋。写真:田中研治

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 12月10日の出来事だった。市立船橋高の男子バスケットボール部で新型コロナウイルスのクラスターが発生。翌日にはさらなる感染が確認され、学校は休校措置を取らざる得なくなった。

 12月31日に開幕する高校サッカー選手権に出場するサッカー部も影響を受け、オフを取った関係で感染拡大前最後のゲームとなった12月6日のプレミアリーグ関東・最終戦以降は活動を自粛した。

「生きた心地がしなかった。だけど、これだけ生徒がいれば出る可能性はある。サッカー部も90名近くいるので誰が出てもおかしくないと覚悟していた」と波多秀吾監督が肝を潰したように、スタッフと選手がPCR検査を受けた。
「選手権に本当に出られるのかと思ったのが正直な気持ち」(石田侑資/3年)と話したように、落ち着かない日々を過ごしたのは間違いない。

 活動休止により、大会前の強化スケジュールは全て見直し。開幕まで残り10日を切った時点で活動再開となり、トレーニングマッチも1試合組めるかどうかとなった。キャプテンの石田が「やるべきことをやれば大丈夫。良い準備をしようとみんなで話している。(佐賀東と戦う)初戦の分析も行なう時間がたくさんあるので、細かくやっている」と前を向いたが、不安がないと言えば嘘になる。「大丈夫かなと思う」と石田の言葉通り、試合勘やコンディションが100%に戻る保証はない。だからこそ、求められるのは逆境を跳ね返すメンタルの強さだ。それは選手も理解している。石田は言う。

「活動自粛中にオンラインミーティングを部員全員で行なっているのですが、メンバー外の選手が『やるべきことは一緒だぞ』と言ってくれた。なので、今年のチームはどんな状況になっても、同じ方向を向いてやっていけるというのを感じている」

 誰が悪いわけでもない。その中で何ができるのか。個人でランニングなどもできなかったが、ピンチをチャンスに変えるべく、選手たちは室内で今やるべきことを徹底的にやってきた。また、今年は昨年の主軸だった鈴木唯人(清水)、畑大雅(湘南)のようなタレントはおらず、組織力で勝負するチーム。だからこそ、この逆境は仲間たちの絆を深め、今まで以上の一体感を育みつつある。
 
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