2020年の名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、昨シーズン、ラ・リーガ随一の堅牢を誇るアトレティコ・マドリーを相手に久保建英が披露した、キレッキレのドリブルを取り上げる。19歳に翻弄された敵のDFリーダーが味方に激怒するほど、この日の出来は秀逸だった。
記事初掲載:2020年7月4日
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ラ・リーガ、いやヨーロッパでも屈指の堅守を誇るアトレティコ・マドリーも、この19歳に明らかに手を焼いていた。それを象徴するシーンだった。
現地時間7月3日に開催されたラ・リーガ第34節で、3位のアトレティコ・マドリーは降格圏の18位に沈むマジョルカをホームに迎え、3-0の快勝を収めた。
それほど危険な場面があったわけではないとはいえ、4-1-4-1の右サイドハーフに入った久保建英のキープ力や意表を突くパスには、何度も苦しめられていた。
【動画】敵DFヒメネスが激怒!久保建英の圧巻2人抜きドリブルはこちらから
ボールを地面に叩きつけて…
そして、アルバロ・モラタのPKで1点をリードして迎えた42分だった。久保の緩急自在のドリブルに、この日スタメンで抜擢された19歳の左SBマヌ・サンチェスとMFコケが抜き去られる。カバーリングに入って水際で突破を食い止めたCBのホセ・ヒメネスは、ボールを地面に叩きつけて怒りを露わにした。
同胞のディエゴ・ゴディンが昨夏に退団し、DFリーダーとなったウルグアイ代表DFは、ティーンエージャーに翻弄されるチームに喝を入れたかったのだろう。
逆にいえば、ディエゴ・シメオネ監督の下で堅守速攻を磨き上げ、バルセロナとレアル・マドリーに2強に割って入っただけでなく、欧州の舞台でも目覚ましい結果を残しているアトレティコの歴戦の猛者たちイラつかせるほど、久保のクオリティーが高かったということだ。
堅牢を単騎でこじ開けようとする姿には、この19歳の“凄み”が感じられた。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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