現地時間12月13日に開催されたプレミアリーグ第12節で、南野拓実が所属するリバプールは、敵地でフルアムと対戦した。

　リーグ戦６戦負けなしと勢いに乗るレッズは、本拠地65戦無敗を記録したウォルバーハンプトン戦からメンバーを一部変更。守護神にアリソンが復帰したほか、昨シーズン途中から長期離脱を余儀なくされていたチェンバレンがベンチ入りを果たした。なお、注目の南野拓実はベンチから戦況を見守った。

　立ち上がりから素早いトランジションを見せる両軍の一進一退の攻防が続いたなかで、ホームチームがファーストチャンスを得る。４分と15分に相手のDFラインの背後を突いたカバレイロが敵エリア内で強烈なシュートを放ったが、いずれもリバプールの守護神アリソンの好守に阻まれた。

　立て続けにチャンスを創出して波に乗ったフルアムは勢いそのままに均衡を破る。25分、CKのこぼれ球をバイタルエリアで拾ったデコルドバ＝リードが右足一閃。弾丸のようなシュートがゴール左へと突き刺さったのだ。

　先手を取られたリバプールは反撃に転じようとするも、ソリッドな守備陣形を保ちながら果敢なフォアチェックを見せるホームチームに苦戦。自慢の両ワイドを使った攻撃も単調なものが続き、鋭さは鳴りを潜めた。
 

　その後も相手の術中にはまり、為す術なくボールを持たされ続けたリバプールはハーフタイムに動く。CBのマティプに代えて南野を投入。アンカーを務めていたヘンダーソンをCBに回して、日本代表FWを左インサイドハーフに起用したのだ。

　現地で試合中継を担っていた英衛星放送『Sky Sports』の解説者ジェイミー・キャラガーが「奇妙な交代だ。マティプに何かあったのだろう」と指摘した抜擢でピッチに立った南野は、フリーとなっては少ないタッチ数でボールをさばくプレーを徹底。クラブOBの疑念とは裏腹に自信を感じさせるプレーを見せるサムライ戦士は、61分にはヘンダーソンの決定機の起点となるフォアチェックも披露するなど、小さくない存在感を放った。

　55分過ぎから“攻める”リバプールと“守る”フルアムという構図で進み続けた後半は、前者が79分に動かす。ヴァイナルダムが蹴ったFKを相手MFカマラが手で止めてPKを献上。これをサラーが決めて同点としたのだ。

　タイスコアとなって再び中盤での攻防戦の様相を呈していった試合は、結局、１-１で終了。首位を争うトッテナムがクリスタル・パレスと引き分けていたために、単独トップ浮上のチャンスがあったリバプールだが、それを逸する結果となった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部