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モナコに逆転負けを喫したパリSGは、“危険水域”に? 仏有名紙は「薄汚い時期」と辛辣評価【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

結城麻里

2020年11月23日

CL決勝から冴えない状態が続いている

モナコの猛反撃に遭い、唖然とした表情を浮かべる場面もあったトゥヘル監督。 (C)Getty Images

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 パリ・サンジェルマンが現地時間20日夜、リーグ・アンでモナコにまさかの逆転敗北を喫し(2-3)、チャンピオンズ・リーグのRBライプツィヒ戦を前に、危険水域に入りそうな気配になっている。

 この日の試合では、キリアン・エムバペが、青春時代を過ごした古巣モナコを相手にあっという間に2ゴールを叩き入れ、そのうち1ゴールは時速35キロメートルの“十八番”だった。これでエムバペは21歳にして、パリSGでの99ゴール目をゲット。もう少しでハットトリックも実現しそうになったものの、オフサイドで幻のゴールに。だが、「すわ、100ゴール達成か!」とファンを興奮させた。チームも2-0で、余裕のハーフタイムを迎えた。

 ところが、エムバペがベンチに下がった後半、モナコの猛反撃に遭遇したパリSGは、あえなく瓦解。試合後にプレスネル・キンペンベは、「後半は許しがたいものだった」と怒りをぶちまけ、トーマス・トゥヘル監督は、「怒るというより驚いている。真面目じゃなかった。前半はよかったのに全てを失くしてしまった」と頭を抱える始末だった。

 この結果を受けて、夜の討論番組『L’EQUIPE DU SOIR』ではパリのフィジカル管理が話題になったが、モナコのフィジカルコーチを務めた経験をもつボブ・タリ氏は、「パリSGは(昨シーズンの)CL決勝以来、何もかもうまくいかなくなっている」と指摘した。
 
 確かに「ファイナル8」で驀進してバイエルンに敗れた後、クラブ内はギクシャクだらけになった。まず、トゥヘル監督が望まなかったにもかかわらず、クラブ側は選手たちに一週間の休暇を与え、何人かがイビサ島でバカンス。このイビサ組が次々とコロナウィルスに感染し、シーズン序盤はほとんど主力を欠いてのスタートになった。

 またケガ人も続出し、挙句に慎重だったエムバペまでコロナ陽性に。もともと捻挫明けで「ファイナル8」を戦い、コロナにも捕まったエムバペは、「今年はどうも奇妙。休みがないまま昨シーズンがずっと続いているような感覚…」と、珍しくぼやきのような言葉を漏らした。

 さらに、スポーツディレクターのレオナルドとトゥヘル監督の確執も悪化した。SDは「監督解任など検討もしていない」と否定したが、どうも晴れやかとは言い難く、パリSGは今シーズンのCL第3節までで1勝2敗と、グループ3位に留まっている。

 試合内容も冴えず、魂がどこかに消えてしまった。リーグ・アンではさすがに首位に返り咲いたものの、今回のモナコ戦が象徴するように“個の煌めき”に頼るばかりとなっている。
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