J１リーグは10月31日、各地で第25節の７試合を開催した。県立カシマサッカースタジアムでは鹿島アントラーズと名古屋グランパスの一戦が行なわれ、２－０でアウェーの後者が勝利を収めた。

　６位の鹿島と５位の名古屋と消化試合は後者が１試合少ないものの、勝点45で並ぶ両チームの対戦は、やや荒れた展開で始まった。

　試合開始前には先発が予定されていた三竿健斗が負傷しメンバー外に。代わって永木亮太がキャプテンマークを巻き出場。ベンチには松村優太が登録された。

　上位を目指すために負けられない両チームは試合開始直後からヒートアップ。開始１分に競り合いの際に名古屋の金崎夢生が鹿島の犬飼智也を倒してしまう。目の前で見ていた町田浩樹と金崎が口論になる場面も見られた。

　すると６分、名古屋にPKが与えられる。ペナルティエリア内のルーズボールにいち早く反応したマテウスがクリアをしようと足を振り上げていた和泉竜司の前に背後から入り、先にボールに触れファウルをもらう。

　キッカーを務めた金崎が冷静に沈め、アウェーの名古屋が先制する。
 

　球際ギリギリのところまで激しく勝負する両チーム。鹿島は、和泉が相馬勇紀と接触した際に足を痛め荒木遼太郎と、名古屋はもも裏を気にするオ・ジェソクが吉田豊とともに33分に最初の交代カードを切る形となった。

　徐々に落ち着き始めたゲームは、鹿島がホームの声援を受けて攻勢に出る。しかし、名古屋の中央の堅い守備ブロックを打開できない。55分には名古屋のカウンターを受けるが、クリアボールから反撃に出てファン・アラーノがペナルティエリア手前から強烈なシュートを放つがGKの正面を突いてしまう。

　61分には土居聖真とレオ・シルバに代えて、上田綺世と遠藤康を投入しさらに攻勢を強める。足もとのパス回しよりも、エヴェラウドや上田をターゲットに長いボールを選択して競り合いを仕掛けた鹿島だったが、62分、68分とファン・アラーノが続けてイエローカードを提示され退場となってしまう。

　相手が１人少なくなったものの、攻め込まれた名古屋はGKランゲラックと米本拓司が交錯し、頭を打った米本は続行不能に。しかし効果的に時間を使いアディショナルタイムにはマテウスが追加点を挙げた名古屋が鹿島を完封、２－０として上位対決に幕を下ろした。

　この結果鹿島は勝点45で６位は変わらず、同48に積み上げた名古屋が暫定ながら３位に浮上した。

　次戦、鹿島は中２日で横浜F・マリノスと敵地で第31節を戦い、名古屋は同じく中２日でサガン鳥栖のホームに乗り込み第26節を行なう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部