【岩本輝雄のプロフェッショナル採点】川崎優勝の鍵はGK西部のフィードの冴え次第!?

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2015年03月11日

横浜――ここまでひどい横浜は久しぶり。

【警告】横浜=下平(45+4分) 川崎=武岡(31分)、大久保(90+4分)
【MAN OF THE MATCH】小林 悠(川崎)

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持ち味のエアバトルの強さは見せた栗原(背番号4)だったが、特筆すべきパフォーマンスはなく、3失点。岩本氏の評価もやや辛目に。 写真:田中研治

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 現役時代は平塚や仙台などでプレーし、自慢の左足で日本代表としても活躍した岩本輝雄氏が、元選手ならではの鋭い視点でJリーガーのパフォーマンスや監督の采配をリアルにジャッジ!!
 
 世界のサッカーにも精通し、国内外の戦術を研究する日々を送る“サッカーおたく”岩本氏の眼に、今回の観戦ゲームはどのように映ったのか――。
 
 第2回は、J1リーグ1stステージ・1節の横浜対川崎の“神奈川ダービー”を採点してもらった。
 
――◆――◆――
 
■横浜F・マリノス■
――先発出場――
GK 1 榎本哲也 6
失点に関してはサイドからえぐられるなど、どれもGKからすれば対処が難しいものだった。それ以外では、14分のレナトの決定機なシュートなど、もっと危ない場面で何度もスーパーセーブを披露していた。普通は3失点もすれば採点「5」かもしれないけど、それを補ってあまりある好プレーを見せていただけに評価は下がらない。
 
DF 13 小林祐三 6
特に前半に関しての横浜は右サイドからやられるシーンが多く、守備面では奈良輪との連係不足を感じた。もっと高い位置を取ってレナトを引かせることも必要だったと思う。ただし、ゴールにつながる裏への飛び出し――縦ではなく、斜めの動き――は絶妙なタイミングだったし、ファーストタッチを最高の場所に置くことができた。あれでゴールは決まったようなもの。守備で後手を踏んだけど「6」でいいと思う。
 
DF 4 栗原勇蔵 5.5
特長であるヘディングは負けていなかったし、安定したプレーを見せることができていたのではないだろうか。とはいえ、特筆すべきパフォーマンスがあったわけでもなく、3失点しているだけに、評価を下げざるを得ない。
 
DF 22 中澤佑二 5
小林のゴールをアシストしたフィードはすごく良かったけど、もっと左右にロングボールを散らしてほしかった。パスを受ける際のポジショニングでは深さが足りず、相手のプレッシャーを容易に受けていた。あとは、CBとしてベテランだし、経験があるわけだから、2ボランチのひとりをもっと前に行かせるとか、そういう指示も出してほしかった。前半終了間際には致命的なミスもあったし、全体的に低調な出来だった。
 
DF 23 下平 匠 5
前半は存在感なし。後半は多少、オーバーラップも見られたけど、彼にボールが入ってからの縦パスや横パスでミスが多すぎる。攻撃のつなぎを考えた場合、SBからのパス出しで流れが切れるようではダメ。どこか冷静さも欠いていた印象だった。
 
MF 27 富澤清太郎 5
序盤は中町と上手く連係して、相手の中村や大島に好きなようにプレーさせていなかった。しかし、無駄なリターンパスが目についたし、CBからボールを受ける時、相手のボランチを引き出すようなポジショニングを工夫すべき。相手の背後に出たり入ったりするとか。そうすればゲームコントロールでも優位に立てたはず。
 
MF 8 中町公祐 5
良い時の彼ならもっと裏に飛び出していたけど、この試合ではほとんど前に絡めなかった。守備に関しては富澤同様、ある程度は相手の2ボランチを潰せていたとはいえ、富澤とは横の関係ではなく、縦の関係になってほしかった。ひとりは後ろでステイ、もうひとりは前に行く。ふたりのCBとともにボックスになる形が多かったのはいただけない。おそらく、中町自身もプレーしていて面白くなかったと思う。まったく物足りなかった。
 
MF 24 奈良輪雄太 4.5
不慣れなポジションもあって、かわいそうな部分もあったけど、特に連係がスムーズにできていなかった。サイドハーフの動きもまるでなってなかったし、なにもできずに前半で交代。ポテンシャルがないわけではないから、次に期待。
 
MF 25 藤本淳吾 5.5
ひとりでどうにかしようという強い意志が見えたし、動き出しも他の選手より速かった。しかしながら、彼は個で局面を打開するのではなく、周りと連動して活きるタイプ。サイドハーフとボランチ一枚との関係性が悪かった。パッとしなかったのは、横浜のチームとしての完成度の低さを物語るものでもあった。得意のセットプレーも不発だった。
 
MF 7 兵藤慎剛 5
もっとボールに触ってほしかった。彼の良いところはたくさんボールに触って、サポートをして、というところ。それが表現できればチームにリズムが出るし、攻撃がスムーズになる。でも、この試合ではそれがほとんどなかった。それだけにチームも低迷したと思う。
 
FW 11 齋藤 学 5
前半、サイドに抜け出しての大島とのマッチアップでは、本来の彼ならぶっち切れるはずだけど、まだコンディション的に上がってきていないのか、止められてしまった。ペナルティエリアの角で怖さを与えられる選手だけど、そこになかなか辿り着けずじまいで、残念な内容だった。
 
――途中出場――
MF 20 佐藤優平
プレーにはよく絡んでいたけど、それが効率的だったかと言えば、判断が難しいところ。もう少しペナルティエリアの近くで仕事をしてほしい。ミドルゾーンでボールに触っていても怖くはない。
 
FW 16 伊藤 翔 5.5
裏に抜け出す動きが良く、高さでも相手の脅威となり、チームとしてひとつポイントができた。後方からのロングボールも増えて、齋藤との2トップも悪くなかった。でも、求められる仕事はゴール。それがなかったのでマイナス0.5。
 
監督
エリク・モンバエルツ監督 4
横浜らしさが一切見られず。どういうサッカーを目指しているのかも分からなかった。ここまでひどい横浜を見るのは久しぶりだった。
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