【編集長コラム】内田篤人、あなたは偉大なフットボーラーだった

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年09月11日

なによりチャンピオンズ・リーグでの活躍に敬意を表して

サイドバックとして確かな功績を残した内田篤人。引退セレモニーでのスピーチも印象に残った。写真:滝川敏之

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 9月10日に発売されたサッカーダイジェストの特集は、内田篤人。8月23日のガンバ大阪戦を最後に現役引退したサイドバックの14年半に渡るプロキャリアを振り返る企画なのだが、本誌の特集として引退した選手を大々的に扱うのは異例のことだ。

 ただ、それだけの価値がある選手だったと、ここで断言しておきたい。しっかりと見つめていただきたいのは、端正な容姿ではなく、“サイドバックの内田篤人”だ。

 高卒1年目から鹿島でスタメンを張り、2009年シーズンにはリーグ3連覇に尽力。翌10年6月に約1億5000万円の移籍金でドイツのシャルケに加入すると、そこでチャンピオンズ・リーグのベスト4入り(10-11シーズン)に貢献するなど確かな足跡を残した。

 大柄ではなくとも世界的なアタッカーたちと互角に渡り合う。当時の内田は圧倒的なスピード、さらに卓越した危機察知力と抜群のポジショニングセンスなどで体格差のハンデを補っていた。しっかりと頭も使い、バスケットボールでいうポイントガードのような“起点”にもなれるサイドバックとして異彩を放っていたのだ。

 正直、サイドバックは地味なポジションだ。FWやトップ下など花形のポジションに比べると、スポットライトが当たりにくい。それでも内田は、13年3月9日にシャルケの一員として臨んだドルトムントとのルール・ダービーで2アシストを決めるなど、勝負どころでの活躍で脚光を浴びる試合が少なくなかった。

 ブンデスリーガ、チャンピオンズ・リーグでの実績を踏まえれば、過去最高の日本人サイドバックと言っても過言ではないだろう。

 32歳での現役引退は確かに早いかもしれない。しかし、内田がJリーグ、ブンデスリーガ、チャンピオンズ・リーグ、ワールドカップなどに出場し、それらのピッチで過ごした時間は濃厚そのもの。なにより、世界最高峰のチャンピオンズ・リーグに4回も出場して、いずれもグループリーグ突破に寄与した点は、サッカー選手として幸せなことだったはずだ。実際、当の内田も次のように話している。

「CLに4回も出場できて、グループリーグも突破できている。欧州のクラブに所属すると言っても、そういう経験はなかなかできない。一度だけ(チャンピオンズ・リーグに)出て、パッと活躍するのはどこにいても可能性があるけど、出続けるというのはなかなか難しい」

 キャリアの晩年は膝の大怪我もあり、思うようなパフォーマンスを披露できなかった。それでも、チャンピオンズ・リーグという至高の舞台でコンスタントに、そしてクレバーに活躍した功績になにより敬意を表して、次の言葉をおくりたい。

 あなたは偉大なフットボーラーだった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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