「シーズン半ばくらいに確固たる手応えを得られれば理想的」
昨季の三冠獲得に大きく貢献した宇佐美貴史は、「もっとやれる可能性を感じている」と、新シーズンに向けての意気込みを語る。22歳のストライカーは、どこまで進化を続けるのか。
――◆――◆――
G大阪にとって今年最初の公式戦となったAFCチャンピオンズ・リーグ(ACL)、グループリーグ第1節の広州富力戦。この試合にフル出場した宇佐美貴史は、0-2での敗戦という結果にも、表情を曇らせることはなかった。
当然、悔しさはある。だが、昨年の戦いを踏まえればこそ、「結果に一喜一憂せずに、チーム力を積み上げていくことが必要」という想いが強かった。
「相手の戦い方にはめられたというよりは、自分たちからはまっていった感じ。なにより1点目の取られ方がもったいなかったし、それによってブロックを固められてしまった。もう少しチームとしても、個人としても仕上がってきたら、ぶっちぎる力はある。今後の試合を想定しても、ああいう戦い方をしてくる相手をどう崩すのか。試合を戦いながらコンディションを上げつつ、チームとして、個人として突き詰めていきたい」
守備を固めてきた相手をいかに攻略するか。これは、今季の『タイトル』を目指すうえで、シーズン前から宇佐美が挙げてきた課題のひとつだ。昨季から選手の顔ぶれが大きく変わらず、かつベースとなるサッカースタイルも昨年からの継続路線である。
より警戒を強めてくる相手を上回るために、宇佐美は「個の質の向上、それに伴う組織力の強化」が必須条件だと語る。だからこそ今季は、自身に対しても様々なミッションを課してスタートしている。
「個人的にパワーアップさせたいのは下半身。それによって馬力と活動量が上がれば、プレーの可動域が広がり、単純に走る距離や回数も増えるはず。あとは去年までの課題だったスタミナですね。スタミナがつけば後ろに下がってボールを受けたり、自分で前に仕掛けたりできるし、そこでボールを失ったら、また切り替えてボールを奪い返して、ということがよりスムーズに回数も多くできる。それらを身に付けることで、昨年以上に爆発的な結果と内容を、シーズンを通して自分に求めたい」
そうした姿をACLの広州富力戦で披露できたのかと言えば、正直ノーだろう。ゲーム勘のなさもあってか、ボールが足に付かないプレーが見られ、堅く閉ざされた相手の守備を前に、無理に突っかけてはボールを奪われるシーンが多かったのも事実だ。
だが、シーズンは始まったばかり。宇佐美に限らず、トレーニングで積み上げてきたことが、すぐさま結果につながるような時期ではない。それはシーズン前から宇佐美自身も自覚していることだ。
「試合を戦いながらトレーニングを続けて、シーズン半ばくらいに確固たる手応えを得られれば理想的。ただし、こればっかりはイメージどおりにいくとは限らないので、その時々で身体の状態を感じて、必要だと思うことを地道に続けていくしかない」
心身ともに「最高の状態」が訪れるのはこれから。それが実現した時、宇佐美は自分自身に、G大阪に、どんな結果をもたらすのか。今はただそれを楽しみに待つばかりだ。
――◆――◆――
このエピソードを踏まえた宇佐美貴史選手のインタビュー「無双の域へ――」が、2月26日(木)発売号のサッカーダイジェスト誌に掲載中。
今季の自分に求めたいことや、Jとアジアの舞台への意欲などを語っています。ぜひご一読ください。
取材・文:高村美砂(フリーライター)
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G大阪にとって今年最初の公式戦となったAFCチャンピオンズ・リーグ(ACL)、グループリーグ第1節の広州富力戦。この試合にフル出場した宇佐美貴史は、0-2での敗戦という結果にも、表情を曇らせることはなかった。
当然、悔しさはある。だが、昨年の戦いを踏まえればこそ、「結果に一喜一憂せずに、チーム力を積み上げていくことが必要」という想いが強かった。
「相手の戦い方にはめられたというよりは、自分たちからはまっていった感じ。なにより1点目の取られ方がもったいなかったし、それによってブロックを固められてしまった。もう少しチームとしても、個人としても仕上がってきたら、ぶっちぎる力はある。今後の試合を想定しても、ああいう戦い方をしてくる相手をどう崩すのか。試合を戦いながらコンディションを上げつつ、チームとして、個人として突き詰めていきたい」
守備を固めてきた相手をいかに攻略するか。これは、今季の『タイトル』を目指すうえで、シーズン前から宇佐美が挙げてきた課題のひとつだ。昨季から選手の顔ぶれが大きく変わらず、かつベースとなるサッカースタイルも昨年からの継続路線である。
より警戒を強めてくる相手を上回るために、宇佐美は「個の質の向上、それに伴う組織力の強化」が必須条件だと語る。だからこそ今季は、自身に対しても様々なミッションを課してスタートしている。
「個人的にパワーアップさせたいのは下半身。それによって馬力と活動量が上がれば、プレーの可動域が広がり、単純に走る距離や回数も増えるはず。あとは去年までの課題だったスタミナですね。スタミナがつけば後ろに下がってボールを受けたり、自分で前に仕掛けたりできるし、そこでボールを失ったら、また切り替えてボールを奪い返して、ということがよりスムーズに回数も多くできる。それらを身に付けることで、昨年以上に爆発的な結果と内容を、シーズンを通して自分に求めたい」
そうした姿をACLの広州富力戦で披露できたのかと言えば、正直ノーだろう。ゲーム勘のなさもあってか、ボールが足に付かないプレーが見られ、堅く閉ざされた相手の守備を前に、無理に突っかけてはボールを奪われるシーンが多かったのも事実だ。
だが、シーズンは始まったばかり。宇佐美に限らず、トレーニングで積み上げてきたことが、すぐさま結果につながるような時期ではない。それはシーズン前から宇佐美自身も自覚していることだ。
「試合を戦いながらトレーニングを続けて、シーズン半ばくらいに確固たる手応えを得られれば理想的。ただし、こればっかりはイメージどおりにいくとは限らないので、その時々で身体の状態を感じて、必要だと思うことを地道に続けていくしかない」
心身ともに「最高の状態」が訪れるのはこれから。それが実現した時、宇佐美は自分自身に、G大阪に、どんな結果をもたらすのか。今はただそれを楽しみに待つばかりだ。
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このエピソードを踏まえた宇佐美貴史選手のインタビュー「無双の域へ――」が、2月26日(木)発売号のサッカーダイジェスト誌に掲載中。
今季の自分に求めたいことや、Jとアジアの舞台への意欲などを語っています。ぜひご一読ください。
取材・文:高村美砂(フリーライター)