• トップ
  • ニュース一覧
  • 半世紀にわたる中東勢の拒絶……オーストラリアは安住の地を追われて再び漂流者となるのか!?

アジアカップ2015

半世紀にわたる中東勢の拒絶……オーストラリアは安住の地を追われて再び漂流者となるのか!?

カテゴリ:ワールド

2015年02月22日

追い出したい中東勢と出ていく気など毛頭ないオーストラリア。

開催国優勝ということで主催者のAFCも大きな恩恵を受けたはずの今大会だったが、「オセアニアの国の戴冠」に違和感と不快感を示す者が多々いた。 (C) Getty Images

画像を見る

 先月、2006年よりオセアニア・サッカー連盟(OFC)からアジア・サッカー連盟(AFC)に“転入”したオーストラリアが、9年目にしてアジアカップ制覇を果たした。
 
 ところが大陸王者となったことで、その地位が確立されたと思いきや、かえってオーストラリアのAFCにおける立場が揺らぐこととなってしまったようだ。
 
 アジアカップ決勝を目前に控えたなかで、サルマン・アル・ハリファAFC会長がUAEの新聞に「西アジア諸国(中東)がオーストラリアの存在に不満を持っている」と語ったことが、事の発端だった。
 
 不満の理由は、まず地理的にオーストラリアはアジアではなく、オセアニアに属する国であること。また、白人による欧米文化とキリスト教の国であることも無視できなかったようだ。そして何より、オーストラリアが多くの国際レベルの選手を擁する強国だったことが大きかった。
 
“よそ者”が加わってきて、貴重なワールドカップ出場枠のひとつを奪われてしまう――。ただでさえ98年フランスW杯以降は日本と韓国が常連となっており、アジアの枠が最大4.5まで増加したとはいえ、強豪オーストラリアとともに残り2~3枠を争うのは、中東勢にとってあまりに厳しく、そしてアンフェアにも感じたのである。
 
 実際に現時点で具体的な動きがあるわけではないが、今年は4月30日にAFCの理事や会長の選挙が行なわれる予定で、これによって様々な思惑が絡み合った結果、今後、連盟の再編についてより具体的な動きが生じる可能性もある。
 
 とはいえ、仮に中東勢によるオーストラリア排斥の動きが進んだとして、“オセアニアのアジア王者”がこれを受け入れるはずがない。なぜなら、オーストラリアのAFC加盟は1960年代からの悲願であり、今この国はようやく見つけた“安住の地”に身を置いているからだ。
 
 オーストラリア・サッカー連盟は1921年に設立されたが、1960年に不当な外国人の代表招集を行なったことで国際サッカー連盟(FIFA)から除名されてしまった。その3年後に3万ポンドの罰金を支払ってFIFAに復帰すると、オーストラリアはニュージーランドとともにAFC入りを願い出るも、翌年に却下された。
 
 74年には、サッカー会長のサー・アーサー・ジョージがテヘランでのAFC総会にみずから足を運び、アジアの仲間入りを懇願したものの、渾身のスピーチの後にすぐ、会議場から“排除”されてしまった。
 
 その後も、ことあるごとにオーストラリアはAFC加盟を訴え続けたが、そのたびにアジア諸国から礼をもって、しかしあっさりと申し出は却下され続けた。アジアの意思は固く、前述の理由から門戸を開く気配は30年間、全く感じられなかった。
 
 オーストラリアがこれほど、AFC入りに固執したのは、まずオセアニア地域のレベルの低さがあった。ニュージーランドを除けば大きな実力差のある小国との試合は、強化の点でも、また興行としても価値を見出せるものではなかった。
【関連記事】
【アジアカップ】不屈のサッカルーズ 最後まで戦い抜いた感動の戴冠
【アジアカップ】オーストラリア 2-1 韓国|延長の熱戦を制したサッカルーズが初優勝!
【アジアカップ】“つなぐ”サッカルーズ、決勝への期待と不安|オーストラリア 2-0 UAE
【アジアカップ】パスサッカーのオーストラリアに怖さなし & 首位通過も満身創痍の韓国
【アジアカップ】逞しさを増す韓国、55年ぶりの優勝に王手|準決勝 韓国 2-0 イラク

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ