終盤は猛攻を繰り広げた開催国だが、最後までゴールは割れず。
グループAの首位通過をかけた一戦は、オーストラリアが敗れるという意外な結果となった。
これでブリスベンで行なわれる準々決勝は、オーストラリア対中国で確定。韓国はメルボルンで、サウジアラビアかウズベキスタンと戦うことになった。
この一戦でわかったのは、開催国が必ずしも大本命ではないということだ。クウェートに4-1、オマーンに4-0と圧勝したときは「サッカルーズ強し」という印象が広まったが、どうやら相手が弱かったらしい。この試合ではコンディションが決して良くない韓国に苦しみ、終盤は猛攻を繰り広げたが最後までゴールを割ることができなかった。
引き分けでも1位通過が決まるオーストラリアは、ケイヒル、クルーズという主力をベンチに温存。11月の大阪での日本戦と同じように、ロングボールではなくショートパスの連携を軸に韓国を崩そうとした。
だがパワープレーのないオーストラリアは、それほど怖くはない。ルオンゴ、バーンズといった技巧派はいるものの、敵を圧倒するほどの支配力、突破力はないからだ。
ケイヒル、クルーズを投入した終盤、オーストラリアはパワープレーを仕掛けたが、こちらのほうがはるかにゴールの可能性を感じさせた。
オーストラリアは圧倒的というほどの強さはない。だが、もちろん優勝候補から外すことはできない。
この一戦でわかったことがもうひとつ。それは判定が彼らにかなり甘いということだ。後半のロスタイムは恐ろしく長く、相手キーパーに空中戦を挑んだケイヒルは、あからさまな肘打ちを繰り出しながらイエローカード止まりだった。
勝った韓国も手放しでは喜んでいられない。
ク・ジャチョルとパク・チュホが相次いで負傷。オマーン戦で骨折したイ・チョンヨンに続いて、故障者リストにふたりの名前が書き込まれた。担架で運ばれたク・ジャチョルは、もしかすると大会中に復帰できないかもしれない。
タイムアップの笛が吹かれると、多くの選手がピッチに倒れていった。無理もない。ふたつの優勝候補が真っ向からぶつかり合った一戦は、湿度80パーセントという過酷な条件下で行なわれたからだ。
日本が初戦を戦ったニューカッスル、韓国が2試合を戦ったキャンベラは夏だというのにかなり冷え込み、韓国には体調を崩す選手が出た。それがブリスベンに移動すると、今度はうだるような暑さに見舞われる。
ブラジル・ワールドカップがそうだったように、このアジアカップは気候との戦いだ。付け加えるとグループDの日本は、勝ち進むたびに休養日が短くなっていくという不利がある。
頂点にたどり着くのは、最後まで走り続けたチームになるだろう。
取材・文:熊崎敬
【アジアカップPHOTOダイジェスト】グループA
これでブリスベンで行なわれる準々決勝は、オーストラリア対中国で確定。韓国はメルボルンで、サウジアラビアかウズベキスタンと戦うことになった。
この一戦でわかったのは、開催国が必ずしも大本命ではないということだ。クウェートに4-1、オマーンに4-0と圧勝したときは「サッカルーズ強し」という印象が広まったが、どうやら相手が弱かったらしい。この試合ではコンディションが決して良くない韓国に苦しみ、終盤は猛攻を繰り広げたが最後までゴールを割ることができなかった。
引き分けでも1位通過が決まるオーストラリアは、ケイヒル、クルーズという主力をベンチに温存。11月の大阪での日本戦と同じように、ロングボールではなくショートパスの連携を軸に韓国を崩そうとした。
だがパワープレーのないオーストラリアは、それほど怖くはない。ルオンゴ、バーンズといった技巧派はいるものの、敵を圧倒するほどの支配力、突破力はないからだ。
ケイヒル、クルーズを投入した終盤、オーストラリアはパワープレーを仕掛けたが、こちらのほうがはるかにゴールの可能性を感じさせた。
オーストラリアは圧倒的というほどの強さはない。だが、もちろん優勝候補から外すことはできない。
この一戦でわかったことがもうひとつ。それは判定が彼らにかなり甘いということだ。後半のロスタイムは恐ろしく長く、相手キーパーに空中戦を挑んだケイヒルは、あからさまな肘打ちを繰り出しながらイエローカード止まりだった。
勝った韓国も手放しでは喜んでいられない。
ク・ジャチョルとパク・チュホが相次いで負傷。オマーン戦で骨折したイ・チョンヨンに続いて、故障者リストにふたりの名前が書き込まれた。担架で運ばれたク・ジャチョルは、もしかすると大会中に復帰できないかもしれない。
タイムアップの笛が吹かれると、多くの選手がピッチに倒れていった。無理もない。ふたつの優勝候補が真っ向からぶつかり合った一戦は、湿度80パーセントという過酷な条件下で行なわれたからだ。
日本が初戦を戦ったニューカッスル、韓国が2試合を戦ったキャンベラは夏だというのにかなり冷え込み、韓国には体調を崩す選手が出た。それがブリスベンに移動すると、今度はうだるような暑さに見舞われる。
ブラジル・ワールドカップがそうだったように、このアジアカップは気候との戦いだ。付け加えるとグループDの日本は、勝ち進むたびに休養日が短くなっていくという不利がある。
頂点にたどり着くのは、最後まで走り続けたチームになるだろう。
取材・文:熊崎敬
【アジアカップPHOTOダイジェスト】グループA