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【日本代表 隠れ名勝負】ベスト布陣のドイツ相手に高原の圧巻2発で大善戦! だが惜しむらくは――

カテゴリ:連載・コラム

飯尾篤史

2020年06月11日

短期連載コラム『日本代表 隠れ名勝負』vol.7 06年ジーコジャパンのドイツ戦|流れるようなカウンターで強豪国の鼻を明かす

ドイツW杯直前のドイツ戦で2ゴールを挙げた高原。強豪を相手に鮮烈な印象を植え付けた。(C) Getty Images

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 ワールドカップやアジア最終予選、アジアカップやコンフェデレーションズカップといったメジャーな大会ではなく、マイナーな大会や親善試合においても日本代表の名勝負は存在する。ともすれば歴史に埋もれかねない“隠れ名勝負”を取り上げる短期集中連載。第7回は2006年、ジーコジャパン時代のドイツ戦を振り返る。(文●飯尾篤史/スポーツライター)

――◆――◆――

 素晴らしいゴール、価値のあるゴールなら、いくつか思い浮かべることができる。
 だが、“日本代表史上、最も美しいゴール”となると、これではないか。

 2006年5月30日に行なわれたドイツとの親善試合で、高原直泰が決めた1点目のゴール――。
0-0で迎えた57分、ドイツのCKをクリアし、柳沢敦がヘディングで中村俊輔にボールを預けた瞬間、逆襲のスイッチが入る。中村が巧みなステップワークで2人をかわしてセンターサークル内の中田英寿へパス。中田がスルーすると、その裏でボールを受けた柳沢から相手守備陣を置き去りにするような、ふわりとしたボールが繰り出される。

 そこに飛び出してきたのが、高原だった。

 ドリブルで独走した高原は、GKレーマンの動きを見極め、ゴール上方に蹴り込んだ。

 日本のクリアから、わずか13秒――。絵に書いたようなカウンターアタックで、開幕が10日後に迫ったワールドカップの開催国の鼻を明かした。

 だが、敵将クリンスマンを青ざめさせたのは、このゴールシーンだけに留まらない。

 さらに8分後、ペナルティエリア右隅でボールを受けた高原は、鋭い切り返しで3人の相手選手を手玉に取るように抜き去り、豪快に蹴り込んで見せるのだ。

 02年夏にハンブルガーSVに加入した高原にとって、ドイツは第二のホーム。ハンブルガーSVでは不遇をかこったこともあるだけに、ドイツ人が注目するピッチで自身の能力を改めて証明するゴールになった。


 そしてなにより、エコノミー症候群の影響で、日韓ワールドカップ、アテネ五輪と、世界大会の出場を2度も逃した自身の覚悟が詰まった2発だった。

「すべてはこのためにやってきた。あとは本番まで、どれだけ高めていけるか」
 エースとして期待された久保竜彦が負傷の影響で選外となるなか、真のエースが復活を印象づけたのだ。

 ワールドカップ開催国の意地もあって、ゲーム終盤に日本はセットプレーから2点を失い、引き分けに終わる。だが、主導権を握り続けていたのは、日本だった。
 

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