「来年ではなく、J1のプレーヤーになるためのプレーを」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、Jリーグはいまだ中断期間にある。J2の再開は6月27日に決まったが、シーズンを戦ううえで今季は総力戦となることは否めないだろう。再開後のJリーグにおいて注目すべき選手をピックアップ。ここではファジアーノ岡山の徳元悠平を紹介する。
――◆――◆――
「長友佑都選手のようになりたいんです」――。
今季、琉球から岡山へ完全移籍した24歳の左SB徳元悠平は、日本代表の左SBを理想のプレーヤーにしている。もっとも、「長友のように」とはどんな部分を指しているのか。身長170センチの小柄なSBという類似した特徴を持っているが、徳元の言いたいことはそういうことではなかった。
「白米のように噛めば噛むほど味が出るような、年を重ねれば重ねるほどいい選手だなって思われるような、そんな選手になりたいんです。35歳くらいまでは現役でやりたいと思っているので、これからしっかりと味を出していけるようになっていきたい」
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「長友佑都選手のようになりたいんです」――。
今季、琉球から岡山へ完全移籍した24歳の左SB徳元悠平は、日本代表の左SBを理想のプレーヤーにしている。もっとも、「長友のように」とはどんな部分を指しているのか。身長170センチの小柄なSBという類似した特徴を持っているが、徳元の言いたいことはそういうことではなかった。
「白米のように噛めば噛むほど味が出るような、年を重ねれば重ねるほどいい選手だなって思われるような、そんな選手になりたいんです。35歳くらいまでは現役でやりたいと思っているので、これからしっかりと味を出していけるようになっていきたい」
強い意志を持って努力を続ける姿は不変で、トッププレーヤーになってからも向上心をもって33歳になった今もなお成長を続けている長友の、その姿勢やマインドを指して徳元は「長友のように」と言っていた。
だから、生まれ故郷の沖縄を離れる決断をして飛躍を誓った2020年シーズンがあまりにイレギュラーな形で中断しても、徳元は決して俯くようなことはなかった。
昨年に生まれた息子と家族三人の岡山での生活は始まったばかり。知らない土地で育児をするだけでも大変なことが多いなか、「僕はぜんぜんストレスを感じなかったですね」と徳元は笑う。「逆にシーズン中には経験できない時間を家族と一緒に過ごせましたし、播戸(竜二)さんとZoomで話す機会もあって刺激も受けられた。僕にとっては良いことも多くありました」という。
琉球でチームメイトの間柄でもあった播戸竜二氏が、自身の元チームメイトを集めて開いたZoomでの座談会では、琴線に触れた言葉もあったようだ。
「加地(亮)さんが大竹(洋平)選手に言った言葉だったんですけど、僕にも刺さりました。『30歳過ぎていつ(契約を)切られるか分かんない。だから来年のためのプレーをしよう』っていうんじゃなくて、『J1のプレーヤーになるためにプレーしたほうがいい』っていう話だったんですけど、グサッときました。来年のためにプレーしていたら、そういうプレーになる。J1でプレーするためにプレーしていたら、そういうプレーになる。そういうことなんですけど、僕はすごく共感できました」
来るリーグ戦の再開に向けて、徳元はもう気持ちの準備は十分にできている。
「日程がどんなに過密になろうが試合に出る選手はプレーできる喜びを表わしていかないといけないと思うし、この過密日程の中でも全試合にフル出場できるような選手は、今後にどんな状況でも戦っていける本当にいい選手だと思う。僕は過密日程になっても全部の試合に出るつもりでやりたいなと思います」
過密日程も前向きに捉えている徳元は、有馬賢二監督が待望していた左足で攻撃を組み立てられるSBで、戦術的にもチームに大きな幅をもたらす存在となる。思い切りよく駆け上がって精度の高いクロスをゴール前に届けていく徳元のいる左サイドがチームのストロングサイドになっていくはずだ。
24歳のSBが、バイタリティに溢れたマインドで、質の高い左足で、2020年の岡山を熱くする。もちろん目指すはJ1。「そこがこのクラブの目標でもある。一緒に叶えていきたいです」。J1のプレーヤーになるため、徳元は駆け出していく。
取材・文●寺田弘幸(フリーライター)
【PHOTO】編集部が厳選!Jクラブの歴代「名ユニフォーム」を大公開!
だから、生まれ故郷の沖縄を離れる決断をして飛躍を誓った2020年シーズンがあまりにイレギュラーな形で中断しても、徳元は決して俯くようなことはなかった。
昨年に生まれた息子と家族三人の岡山での生活は始まったばかり。知らない土地で育児をするだけでも大変なことが多いなか、「僕はぜんぜんストレスを感じなかったですね」と徳元は笑う。「逆にシーズン中には経験できない時間を家族と一緒に過ごせましたし、播戸(竜二)さんとZoomで話す機会もあって刺激も受けられた。僕にとっては良いことも多くありました」という。
琉球でチームメイトの間柄でもあった播戸竜二氏が、自身の元チームメイトを集めて開いたZoomでの座談会では、琴線に触れた言葉もあったようだ。
「加地(亮)さんが大竹(洋平)選手に言った言葉だったんですけど、僕にも刺さりました。『30歳過ぎていつ(契約を)切られるか分かんない。だから来年のためのプレーをしよう』っていうんじゃなくて、『J1のプレーヤーになるためにプレーしたほうがいい』っていう話だったんですけど、グサッときました。来年のためにプレーしていたら、そういうプレーになる。J1でプレーするためにプレーしていたら、そういうプレーになる。そういうことなんですけど、僕はすごく共感できました」
来るリーグ戦の再開に向けて、徳元はもう気持ちの準備は十分にできている。
「日程がどんなに過密になろうが試合に出る選手はプレーできる喜びを表わしていかないといけないと思うし、この過密日程の中でも全試合にフル出場できるような選手は、今後にどんな状況でも戦っていける本当にいい選手だと思う。僕は過密日程になっても全部の試合に出るつもりでやりたいなと思います」
過密日程も前向きに捉えている徳元は、有馬賢二監督が待望していた左足で攻撃を組み立てられるSBで、戦術的にもチームに大きな幅をもたらす存在となる。思い切りよく駆け上がって精度の高いクロスをゴール前に届けていく徳元のいる左サイドがチームのストロングサイドになっていくはずだ。
24歳のSBが、バイタリティに溢れたマインドで、質の高い左足で、2020年の岡山を熱くする。もちろん目指すはJ1。「そこがこのクラブの目標でもある。一緒に叶えていきたいです」。J1のプレーヤーになるため、徳元は駆け出していく。
取材・文●寺田弘幸(フリーライター)
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