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“給料泥棒”や“史上最低”など汚名を残した男たち――英熟練記者が選ぶプレミア過去20年のワースト11【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2020年05月25日

4バックは期待外れの4人――スタマーズ記者

スタマーズ記者が選んだワーストイレブン。 (C) SOCCER DIGEST、Getty Images

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 数々のスターたちがファンを魅了してきたプレミアリーグ。一方で、活躍を期待されながら、まったく本領を発揮できなかった選手も少なくない。そんな汚名を残してしまったプレーヤーの中から、熟練記者のスティーブ・スタマーズ氏とドミニク・ファイフィールド氏に過去20年の“ワーストイレブン”を選んでもらった。スタマーズ記者の11人から順に紹介しよう。

―――◆―――◆―――

 マンチェスター・ユナイテッドで黄金期を築いた名将アレックス・ファーガソンは、世代交代を進める手腕も秀逸だったが、1999年の夏にクラブを去った、ピーター・シュマイケルの穴埋めには苦労した。

 そのGK補強の最大の失敗例が、ワーストイレブンの守護神になる。イタリア人のマッシモ・タイービは、たった4試合のプレミア出場歴で計11失点と、抜擢したファーガソンのみならずファンの大きな失望を買った。

 そんな頼りないGKの眼前に並ぶのは、いずれも期待外れの4人。怪我で離脱した“闘将”トニー・アダムスの代役を任されたイゴール・ステパノフは、移籍1年目のユナイテッド戦で6失点に絡んだのを機に名門でのキャリアが終焉に向かった。同じくアーセナルに10年8月に加入したセバスティアン・スキラッチは、FAカップで途中出場・途中交代を経験するなど、カップ戦要員にすらならなかった。

 01年7月からチェルシーで4年間プレーしたウィンストン・ボハルデは、「給与泥棒」と揶揄され、2014年の夏にマンチェスター・シティに当時の英国のDF史上最高額となる移籍金4200万ポンド(約72億円)で買い取られたエリアキム・マンガラは、金満クラブでも「最悪の無駄遣い」と嘆かれた。
 
 FW陣には、揃って「ごく普通のゴールも決められない」と言われた3人が並ぶ。グジェゴジュ・ラシャクとジョジー・アルティドールは、それぞれトッテナムとサンダーランドでの約2年間で、計1得点のみ……。アデ・アキンバイも、レスター時代に度重なる決定機を逃し、ホームファンからブーイングを浴びた。

 彼らの後陣に構える中盤は、獲得自体に首を傾げたくなるトリオだ。

 ストリートから成りあがったベベは、周囲の推薦を信じたファーガソンが、事前に実際のプレーを見ていれば、獲得自体があり得なかっただろう。2008年のU-19欧州選手権を制したドイツの一員でもあったサビオ・ヌセレコは、その見た目通りのフィジカル不足が致命的だった。サリフ・ディアオは、後に「チームメイトからも歓迎してもらえなかった」と、後にボヤくほど、リバプール内での信頼も勝ち取れなかった。

 ワースト監督は、アブラム・グラントで文句なし。

 07-08シーズンの途中に就任したチェルシーでのプレミア2位とチャンピオンズ・リーグ準優勝という結果は、シーズン途中で去ったジョゼ・モウリーニョの「遺産」に過ぎない。開幕から指揮を執ったウェストハムでの10-11シーズンは、プレミアでクラブ史上最悪となる開幕4連敗スタートを大きく躓き、ファンから苗字をもじられて「Avram Can't(アブラムじゃできない)」と皮肉られた。

 その後の立て直しにも失敗したイスラエル人指揮官は、残留には十分な戦力があったウェストハムの降格を避けることができずに2部転落が決まった当日に解雇された。それ以来、彼のプレミア監督歴も止まったままだ。

◆スティーブ氏が選ぶワーストイレブン(※右から、カッコ内は主な所属チーム)
【GK】
タイービ(マンチェスター・U)

【DF】
スキラッチ(アーセナル)、ステパノフ(アーセナル)、ボハルデ(チェルシー)、マンガラ(マンチェスター・C)

【MF】
ベベ(マンチェスター・U)、ディアオ(リバプール、ポーツマスなど)、サビオ(ウェストハム)

【FW】
ラシャック(トッテナム)、アルティドール(ハル、サンダーランド)、アキンバイ(レスター)

【監督】
グラント(チェルシー、ウェストハム)
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