【広島|担当コラム】クリスティアーノにも負けない生粋のエアバトラー。19年に発見した能力は――

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2020年05月10日

ウェリントンにも負けない空中戦の強さを発揮

190センチの町田(鹿島)と競り合う野上。頭ひとつ抜ける打点の高さからも、エアバトルの強さが窺える。写真:滝川敏之

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 試合の取材に行くと、どうしても目に留まってしまう選手はいる。概ねそのゲームで最も活躍している選手で、あとは筆者の場合は学生時代にサッカーをしていた背景から、同じポジションのボランチを追ってしまう傾向がある。

「クリスティアーノにも全然負けていない。凄いな」

 珍しくCBに目を奪われた。2018年4月の柏戦、4-4-2のCBで先発した広島の野上結貴は、主にクリスティアーノとマッチアップ。クリスティアーノと言えば、パワフルなドリブル突破や豪快なシュートが売りのパワー系ストライカーで、前年の17年にはリーグ12得点を決めた柏のキーマンである。そのブラジル人に対して、野上が地上戦でも空中戦でも対人でほぼ勝り、広島は1-0の勝利を収めた。

 18年に広島担当となり、徐々に選手やチームの特徴を掴んでいくなか、野上が優れたCBだと確信したのは5月の神戸戦だった。

「野上が空中戦で、本当によくウェリントンと対峙してくれて、頼もしかった」

 試合後の城福浩監督の言葉がすべてを物語るだろう。大型FWのウェリントンにも空中戦でほぼ勝ち、しかも取材後に話を聞けば「手応えはありますね。ウェリントンに関しては、やりがいがありました」と言う。生粋のエアバトラーだ。
 19年になると、チームのシステムが本格的に3-4-2-1に移行。野上は主に3バックの右を任された。そして新たに発見した野上の良さは、DF間の連係だ。3バックの中央を務める荒木隼人のコメントを紹介したい。

「横にいる(佐々木)翔くんやガミくん(野上)が助けてくれるおかげで自分も良いプレーができているんです。3バック間でも、誰かが出ればその穴を埋める。良い信頼関係ができていて、阿吽の呼吸に近いものができてきたかなと思います」

 CBの鉄則とも言えるチャレンジ&カバーを維持するうえで、荒木が気兼ねなくチャレンジできるように、野上が適材適所でカバーしているのが窺える(もちろん佐々木もカバーリングをしている)。18年も水本裕貴と組んだCBコンビは好連係を見せていたが、主に野上がチャレンジで、水本がカバー。ゆえに、野上を見れば空中戦の強さばかりに目が行くようになっていた。

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