１月19日、湘南ベルマーレの新体制発表会が行なわれ、中央大卒のルーキーである岡﨑亮平がプロとしての第１歩を踏み出した。ジュニアユース、ユースと６年間を過ごした湘南は、彼にとって“古巣”。そしてクラブにとっても、アカデミーで育ち、大学を経由してトップチーム入りを果たした初めての選手となる。
 
『３-３-４（ジュニアユース→ユース→大学）プロジェクト』の一期生として、大倉智取締役社長も「今後彼に続く選手が出てきてほしいということも含めて、彼の活躍に期待している」と熱い視線を送る。
 
　再び湘南の一員となった胸中、恩師・曺貴裁監督と盟友・遠藤航とのエピソード、そしてルーキーイヤーへの意気込み――。待ち望んでいたプロの世界に心を躍らせる若武者を直撃した。
 
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――ユース時代を過ごした、“古巣”の湘南ベルマーレに戻ってきた率直な感想は？
 
「素直に嬉しかったです。スクールの頃から毎試合、足を運んでいた平塚競技場（現Shonan BMWスタジアム平塚）の舞台に立つ権利をようやく掴めたな、と。高校３年の時は、トップチームに昇格できるかどうかギリギリのラインでした。アカデミーで同期の（遠藤）航が昇格した一方で、僕は昇格できず、中央大に進学した。航が（プロで）活躍しているのが悔しくて、『絶対プロになってやる』と４年間必死に駆け抜けました。その強い想いが、自分を成長させてくれたと思います。もう一度（ベルマーレの）黄緑のユニホームを着られると思うとワクワクしますね」
 
――岡﨑選手はアカデミーで育ち、大学を経由して、トップチーム入りした初めての選手になります。
 
「まだスタートラインに立っただけですが、自分の力を試すチャンスを得られたので、すごく楽しみです。僕がトップチームで活躍することによって、今いるユースの子たちの励みにもなると思います。ユースからトップに上がれなくても、こうやってプロになれるんだとプレーで証明できるように頑張ります」
 
――岡﨑選手にとって「湘南ベルマーレ」とは？
 
「大学４年間を外から見て、こうしてもう一度中に入って感じるのは、本当に家族のようなチームだな、と。温かさのなかに、厳しさがあって、曺さんという一家の大黒柱を先頭に、全員が同じ方向を向いている。ここには、サッカー選手として成長できる環境があるんです。その一員でいられることは嬉しいし、光栄です」

――曺監督は、ユース時代（高校１年時）に指導を受けた恩師ですね。
 
「曺さんにはすごくお世話になったし、僕の実力がない時にも試合で使ってくれて、すごく良い経験ができました。ただ、当時から６年ほど経って、曺さんはJリーグの舞台でいろいろな選手を見てきていると思うし、普段の練習からプロの世界で通用するという姿を見せていかないと試合に出られないな、と」
 
――曺監督との一番の思い出は？
 
「最初の遠征で、沖縄に行ったんですが、その時に曺さんを怒らせてしまって……、『俺はもうお前らの監督はやらない』って（苦笑）。挨拶しても返事をしてもらえず、滞在中ずっとしゃべらずに過ごしたのは印象に残っていますね。真っ直ぐというか、ブレないので、だからこそみんなが（曺さんに）付いていくんだろうなと思います」
 
――湘南への加入が決まってから、なにかメッセージは？
 
「電話をいただいた時に、『お前は新人だけど、アカデミー出身で俺もよく知っているから、遠慮しないでどんどんやってくれ！』と声をかけてもらいました」